今年のセンバツで大きく評価を高めたエナジックスポーツのイーマン 琉海内野手(3年)。10打数8安打の大当たりだった。さらに抜群の脚力を見せ、自由闊達に動き回るプレーは高校野球ファンをワクワクさせた。そんなパフォーマンスを評価され、高校日本代表候補入りを果たしたイーマンに迫りたい。
まず結果を残した打撃について。スイングは非常にコンパクトだが、芯に当てるのが非常に上手く、想像以上に打球が伸びる。スクエアスタンスの構え、トップからインパクトまで無駄のないスイングを見せる。インコースに速球を攻められても左肘を畳んで素直にバットが出るので、打ち返すことができる。高めに浮いた変化球を左中間に弾き返し、基本に忠実な打撃をしている。下半身の柔軟性もあり、低めの変化球を拾ってセンター前に弾き返すなど、対応力が広い。木製バットでも同様の打撃ができると、かなり評価されそうだ。
打撃以上に注目が集まったのが走塁だ。三塁打のタイムはなんと11秒06。プロの俊足選手と同等のタイムであり、次のステージでも十分にウリにできる脚力だ。何より足に自信を持って、積極的に次の塁を狙う姿勢が良い。相手の守備位置を見て、打球の勢いを殺したセーフティーバントも絶妙で、相当な練習を積んできたのがうかがえる。気になったのは盗塁技術。あまりスタートが良くなく、この脚力の高さにしては際どいプレーとなってアウトになることも多い。
二塁守備は機敏。クイックスロー、スナップスローを難なくできる身体能力の高さは天性のものだろう。動きもスピーディで、セカンドの守備位置に立つと、好プレーを見せてくれる期待感があるほどセンスの高さが伝わる。ただ、送球が雑だったり、スローイングの弱さが見られるなどまだまだ課題は多い。
攻撃的な走塁、140キロ以上の速球投手にも的確にミートできる打撃技術の高さは申し分ないものがあり、ドラフト候補に挙がってもおかしくない。本人はプロ志望ではないということだが、現時点だと下位、育成あたりではないか。オリックスの若手内野手・宜保翔内野手(未来沖縄)の高校時代を彷彿とさせる選手だ。大学、社会人を経由して地力をつけるのは遅くはない。
まずは最後の夏までに攻守の粗さをなくし、さらにアグレッシブなプレーでファンを沸かせる活躍を見せることができるか注目だ。