<第156回九州地区高校野球大会鹿児島予選:鹿児島工4-3鹿屋中央>◇4日◇準決勝◇平和リース球場

  大会13日目にして初めての延長戦にもつれる1点を争う緊迫した好勝負だった。

 先制したのは鹿児島工。2回裏、一死から7番・樋口誠磨(3年)が左越え二塁打を放ち、犠打で三塁まで進んで、暴投で先制のホームを踏んだ。

 鹿屋中央は4回裏、二死二塁から7番・松元裕樹(3年)が一塁線を破る適時打で同点に追いついた。

 直後の5回表、鹿児島工は3番・小林虎徹(3年)の中前適時打で再び勝ち越す。

 鹿屋中央は6回から鹿児島城西戦で好投した左腕エース・溝淵爽(3年)をリリーフで送る。守備のリズムで失点の気配を断ち切ると、7回裏に2番・穂園陽大(3年)の右前適時打で再び試合を振り出しに戻した。

 勢いづく鹿屋中央は9回裏、二死三塁から2つの申告敬遠で満塁と一打サヨナラの絶好機を作ったが、鹿児島工の右腕エース・不笠宗太郎(3年)が中飛で打ちとった。試合は無死一二塁から始まるタイブレークの延長にもつれた。

 鹿児島工は送りバント失敗で一死となったが、3番・小林が初球を振り抜いて左越え二塁打となり2点を勝ち越す。

 その裏、鹿屋中央の反撃を、エース不笠を中心にした粘りの守りで1失点に食い止め、接戦をものにした。

 初戦の隼人工、準々決勝の樟南に続き、シード校を破って、17年半ぶりとなる決勝進出。永山正利監督は「集中力と粘り強さがでてきた」と選手たちの成長をたたえていた。