4月3日から5日にかけて、高校日本代表候補強化合宿の取材を行いました。2019年から始まり、コロナ禍の中止を挟んで今年で4回目の開催となりました。このイベントの認知度は年々高まり、多くのスカウト、野球指導者、メディア関係者が集まるようになりました。改めてこの合宿はとても有益なもの、今後も続けてほしいと思います。今回は高校日本代表候補の強化合宿の意義について振り返っていきたいと思います。

年々高まる高校日本代表候補に選出される重要度

高校日本代表候補からそのまま代表入りしたのは、過去3回で以下の通りです。

19年 20名中、12名 主な選手 佐々木 朗希(ドジャース)、奥川 恭伸(ヤクルト)

23年 20名中、10名 主な選手 前田 悠伍(ソフトバンク)、武田 陸玖(DeNA)

24年 18名中、13名 主な選手 石塚 裕惺(巨人)、今朝丸 裕喜(阪神)

 高校日本代表に選ばれるにはまずこの合宿の候補に選ばれることが第一関門になります。それ以外の選手が勝ち取るにはよほどの急成長をしない限り、ありえません。なぜなら候補選手はセンバツで活躍した選手と、センバツ未出場でも9地区(北海道、東北、関東、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州)の世代上位の選手が推薦されるからです。

 かつて候補選手はセンバツ出場組から選出されており、たとえば、アジア大会で優勝した2016年の高校日本代表は候補選手から代表入りしたのはわずか6名しかいませんでした。当時は夏の甲子園で活躍した今井達也投手(作新学院-西武)、堀 瑞輝投手(広島新庄-日本ハム)らが中心に構成されていました。

 しかし、甲子園での活躍が中心となった編成での戦いは苦しいものがあり、17年は世界大会で3位、18年はアジア大会で韓国、台湾に敗れて、優勝を逃してしまいます。それを契機に代表候補合宿が発足しました。

 合宿では球場で行われる練習、紅白戦だけではなく、屋内でマナー研修も行われます。また、最新の機器を使った数値測定も行われます。23年からはブルペンで回転数、ティー打撃ではスイングスピードを測定します。24年以降はトラックマンを使って紅白戦、フリー打撃で測定するのがお馴染みの光景となりました。選手たちは自分の投球、打撃のレベルを知ることができます。今回の合宿でもブルペンで投げている投手がアナリストの方からじっくりとアドバイスを受けている姿が見られました。

 高い技量を持った選手たちがより成長できる合宿なのです。

同世代たちの交流は成長の大きなきっかけに

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