<第156回九州地区高校野球大会鹿児島予選:神村学園11-4鹿児島工>◇5日◇決勝◇平和リース球場

 春の鹿児島の頂上決戦は、県内無敗が続く第1シード神村学園と、今大会ノーシードから隼人工樟南鹿屋中央とシード勢を破って17年半ぶりに決勝に勝ち進んだ鹿児島工の争いとなった。

 先制したのは鹿児島工。初回、二死二三塁から5番・今吉瑠生(2年)が左前2点適時打を放って先手を取った。

 その裏、神村学園は3連続死球で無死満塁とし、4番・梶山侑孔(2年)の中越え二塁打で同点に追いついた。

 2回裏は一死一二塁とすると「今大会、みんなに迷惑をかけていたので絶対に打って返したかった」1番・今岡拓夢主将(3年)が3ボール1ストライクから内角球をうまくとらえ勝ち越し3ランを放った。

 更に2番・入耒田 華月(3年)が左越え三塁打で続き、3番・川崎怜央(2年)がスクイズを決めて、計4点のリードを奪った。

 鹿児島工は5回表、一死から1番・三浦杏仁(3年)の左前打を皮切りに3連打を浴びせる。3番・小林虎徹(3年)の右前適時打、4番・中村武尊主将(3年)の遊ゴロで併殺をとりそびれた間にもう1点を加え、再び2点差に詰め寄った。

 その裏、神村学園は一死一三塁から重盗を決めて点差を3点に広げる。7回は代打・小山 琳太(3年)の犠飛で1点追加。無安打で追加点を挙げた。

 8回にも四球を足掛かりに、重盗、盗塁などで揺さぶり、2安打で3点をダメ押した。

 投手陣は先発左腕・窪田瑶(3年)、5回途中から千原和博(3年)、7回からは龍頭沙樹(2年)とつなぎ、最後の打者1人はエース早瀬 朔(3年)が抑え、4人のリレーで後半、鹿児島工の反撃を許さなかった。

 夏3連覇がかかる神村学園は「春の大会、5月の県選抜大会、7月の選手権予選、3つの大会すべてが甲子園予選」(小田大介監督)とみなす。1つめの「甲子園予選」を制し、今岡主将は「経験が少ない僕らにとっては大きな自信になった」と振り返った。