<春季東京都高等学校野球大会:明大中野10-0片倉>◇6日◇2回戦◇JPアセットスタジアム江戸川
今大会は開幕予定の1日から3日連続の雨で試合が中止となるなど、日程が非常にタイトになってきている。運営側としては、シード校決めとなる12日からの日程はずらしたくないというところもあって、8日までに何とか試合日程を調整した。そんなことで連戦を余儀なくされるところも何校かあった。片倉もそんな一つである。前日は成城に何とか競り勝っての進出となっている。一方、明大中野は4日の初戦では雪谷に初回の先制攻撃でビッグイニングを作って、結果的には10対2のコールドゲームで勝ち上がってきた。
遠目に見ると、同じような色のユニフォームの両校。紫紺対決となった。
前半4回までは投手戦の様相だった。どちらも走者は出しているのだが、あと一本の決定打がないというような形である。そこは、片倉の橋口 海丈投手(3年)と明大中野の背番号9をつけている関 飛鷹投手(2年)が、要所をよく抑えていたとも言えよう。ことに、片倉は抜けたと思われた打球を外野手が何度も好捕して橋口投手を助けていた。また、明大中野も近藤 友樹遊撃手(2年)が好フィールディングを見せるなどで守り合いという展開だった。
試合は3~4点をめぐっての競り合いになっていくのかと思われた。
ところが5回、明大中野は9番関投手が右前打すると、そこから打線爆発。さらに失策も絡んで土井 駿太朗選手(3年)と石和田 倫太郎選手の連続二塁打なども出て一挙に5点が入った。その裏、片倉は、あっさりと3人で終わってしまったことで、試合の主導権は完全に明大中野に傾いていった。
ただ、明大中野の岡本 和雄監督は、「前の試合もそうだったのですが、ビッグイニングを作って、以降が0になってしまうと、そこで一度勢いが収まってしまいます。次の追加点が大事なのだということは言い続けていました」と言っていたが、その次のアクションが8回だった。
8回からマウンドに立った片倉の3人目の松下 櫂投手(3年)に対して、打者10人で5安打を集中して、野選や四球もあって再び5点を奪うビッグイニングとした。このあたりは、岡本監督のアドバイスに応えたというところであろうか。
明大中野は2012年から多摩一本杉球場と恵泉女子大近くに専用グラウンドを所有している。学校からは、1時間少々かかるというが、それでも岡本監督は、「専用球場ができてからは、外野守備はよくなりました。木曜日は休日としていますが、平日も毎日通ってきています。ここへ来るということで、練習したいという気持ちも高まってきていますからね」と、選手たちの意識作りにもなっているという。
なお、この試合で先発完封した関投手は打っても3安打でチャンスメイクもした。岡本監督は、「ウチは人数も少ないので練習試合でも関はよく完投していました。体力もあるのですが、練習試合で投げていったことも自信になっていました。今日も、盗塁を決めたように、実は足も速いんです」と、この日は関選手の投打走を評価していた。
片倉の宮本 秀樹監督は、「前半は、よく凌いでいいプレーもいくつか出たんだけれどもね。5回、1点止まりだったら、また試合展開も違っていたのでしょうが、大事なところでエラーが出てしまいました。夏へ向けてのテーマは、ありすぎだけれども、何とかしていかないといけないね」と、肩を落としつつも、夏へ向けての出直しということである。
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