<春季東京都高等学校野球大会:早稲田実10-0順天>◇8日◇2回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

 センバツ出場校の早稲田実が今大会初戦に臨み、5回コールド勝ちで3回戦進出を決めた。

 序盤は順天の鈴木 爽心投手(3年)に3回まで無失点と苦しんだが、4回に川上 真内野手(3年)の適時打を皮切りに一挙6得点。5回に4得点を挙げて10点差をつけた。和泉 実監督も「好球必打で点を取ってくれました」と振り返った。

 快勝発進を決めた中、早くも1年生がデビューを飾った。背番号19をつけた秋田 翔眞外野手(1年)だ。5回に代打で出場すると3球目を振り抜いて一ゴロとなった。惜しくも初安打とはならなかったが、「緊張もあったが、先輩たちの声をかけてもらい、自信を持って打席に立てました」と語った。

 中学時代は東京神宮リトルシニアでプレー。4番を任され全国大会に出場した経験を持つ。高校進学にあたり「野球はもちろん、文武両道の面に惹かれた」と、早稲田実への進学を決意。6日に入学式を終えたばかりだが、「伝統のあるユニフォームに誇りをもって、グラウンドに立つことができて良かった」と笑みをこぼした。

 新たな一歩を踏み出した新入生に和泉監督も「よく振れる選手。(今日の打席も)アウトになったが芯を食っていたので、夏までに自分のスイングが出来ていれば面白い選手になる」と期待をかけている。秋田も「東京都大会から見ていたが、甲子園での応援は別物。あの舞台でプレーしたい」と聖地でのプレーに憧れを抱き、「夏も絶対にベンチ入りして、甲子園でヒットを打ちたい」と闘志を燃やしている。

 目標の選手を問われると王 貞治氏や清宮 幸太郎内野手(現・日本ハム)あげ、「強打の左バッターになりたい」と意気込だ。偉大な先輩に一歩でも近づくため、「日頃の練習から自分で考え、課題を改善していきたい」と先を見据えている。

 早稲田実の新たなスターとなれるのか。名門で早くもベンチ入りを掴んだ1年生の活躍から目が離せない。