ハムは柔らかくて、強い方が良い!走力アップの秘訣を公開!

オフシーズンに入り、走り込みをすることが増えていることだろう。近年は闇雲にランニングをする時代ではなく、トレーニングも上手く取り組みながら、走り込みをするようになった。とはいえ、少なからずランニングはするものなので、「ちょっとでも足を速くしたい」と願う球児もいることだろう。

ただ、足を速くする術は、なかなか分かっていない。そんな難題に対して、専門家である古岡さんの回答は明確だ。

「下半身の筋力、バネというのはもちろんですけど、上半身もあった方が良いです。実際、陸上選手を見れば、わかると思うんです。上半身もかなり鍛えられていると思いますし、体つきは大きく逞しいはずです。というのも瞬発力は、速筋という太くなりやすい筋肉が必要になります。だから下半身はもちろんですけど、全身を鍛えて欲しいんです」

ただ、「強いて言うとハムストリングの筋力が高い方がいい」と古岡さんは語る。自身の体を押すためにハムストリングは必要になるとのことだが、そのうえで足のバネも必要な能力になると話す。

「1歩のストライドでどれだけ前に進めるか、そこも大事なところですよね。だってストライドを広げて、少ない歩数で1塁まで到達できた方が、早く着くと思うんです。なので、ゼット測定では立ち三段跳びという項目で、勢いを付けずに3歩でどれだけ進めるか測定します。これで距離を出せる人は、1歩を大きくできるバネが強いので、30m走でも良いタイムが出る傾向があります」(古岡さん)

体を押す筋力、バネの重要性を推してきたが、やはり筋力などを鍛えるだけでは走力は高まらない。柔軟性も必要だという。

「ハムストリング、股関節の柔らかさもですかね。股関節が柔らかくないと、足は広がりませんからストライドが狭くなります。ハムストリングも柔らかい方が、足を高くあげられるので、地面をより強く叩けます。そうすれば地面反力がもらえるので、よりピッチ(回転)が高まるので、それでも足は速くなりやすいです」

ゼット測定には先述した足のバネを調べる立ち三段跳び、ハムストリングの筋力を調べるレッグカール。さらに柔軟性を調べられる長座体前屈も測定項目がある。古岡さんはこうした項目を測定で数字を割り出し、可視化させることで選手たちを分析。そのうえで、最適なアプローチをかけているのだ。

足の速さはどこか、センスや先天的なものだと考える選手もいるだろう。しかし、全ての土台となるフィジカルを鍛えれば、十分求めているスキルを手にするチャンスがあるのだ。

そのためには出来る限り細かく測定し、算出されたデータを分析・解析をして、現在地を把握しないといけない。その手段にゼット測定は適した手段の1つと言えそうだ。

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