<春季東京都高等学校野球大会:早稲田実11-1立教池袋(6回コールド)>◇12日◇3回戦◇スリーボンドスタジアム八王子
この春、早稲田実のテーマは、勝つことはもちろんだが、同時にエース・中村 心大(3年)を補う、第2、第3の投手に経験を積ませることだ。
初戦は2年生の小俣 颯汰が先発したが、3回戦は身長196センチの浅木 遥斗(3年)が先発した。
「公式戦の先発は初めてです」と言う浅木だが、立ち上がりから快調な投球。「いつもは途中から投げていますが、今日もいつも通りにピッチングができました」と浅木は言う。
1回、2回と三者凡退で抑えると、3回表は三者三振の快投。最速は145キロだが、そこまでの球速は出ていないものの、角度のある球で立教池袋打線を圧倒する。4回表も2人連続三振で、前の回から5人連続三振の圧巻の投球。続く立教池袋の3番・田知 隼人捕手(2年)の初球を叩かれ、右中間を破る二塁打を打たれたものの、続く4番・工藤佑斗投手(3年)も三振に抑えた。
結局浅木は4回を投げて被安打1、四死球0、奪三振8、失点0というほぼ完璧な投球だった。「甲子園で投げて、自分の力を出せるようになりました」と浅木は言う。大舞台での経験が自信となって、マウンドでの姿も堂々としてきた。
攻撃面では、1回裏、1番・川上 真内野手(3年)、右翼手で出場している4番・中村 心大(3年)、6番・國光 翔内野手(3年)の安打に失策が絡み、3点。2回裏は4番・中村の走者一掃の三塁打などで3点、3回裏は1番・川上の2点二塁打などで3点を入れて早稲田実が一方的にリード。
4回裏には秋田 翔真外野手、板野 竜弥内野手といった1年生を代打に送った。1年生の起用について、「力的にはまだまだですが、公式戦に慣れてもらえれば」と和泉実監督は言う。1年生に限らず公式戦に出場する意味を、「練習試合と公式戦では、緊張が違いますから」と和泉監督は語る。
早稲田実は5回から本来のエースである中村が、マウンドに上がった。中村は5回表に立教池袋の代打・上原 夕輝(3年)の二塁打、8番・太田 寿人外野手(3年)の右前安打で1点を失った。
それでも早稲田実は5回裏に重盗で1点、6回裏は1番・川上の左前安打で1点を追加して、11―1、6回コールドが成立した。
秋までは中村 心大と山中 晴翔捕手(3年)のバッテリーを中心としたチームという印象が強かった早稲田実。この春は戦いの幅を広げるため、試合をしながら経験を積ませるという和泉監督の思い通りの戦いが、今のところはできている。勝ち進む中で、チームをどう作っていくか、今後の戦いを注目したい。
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