11日、プロ野球規則委員会がトルピードバット(魚雷バット)の使用を容認した。バットのヘッド部分が細く、芯の部分が太いのが特徴で、ボウリングのピンのような形状となっている。今季はメジャーリーグのヤンキースで選手が使用し、1試合9発、開幕6試合で22発と本塁打を量産して話題となっていた。
今回のバットは日本だけでなく各国で導入が検討されている。その一つが台湾球界だ。阪神OBで現在、台湾ホークスでコーチを務める福永 春吾氏は「現地では国内のメーカーがバットを作ったばかり。導入はこれからだと思う」としながらも、オリックスなどでプレー経験をもつスティーブン・モヤ選手が興味を示し、選手間でも話題に上がることもあるという。
NPBでも試合前の練習前に使用されるなど日本国内での導入に期待も高まるばかりだが、福永氏は打者への影響をこう分析する。
「バットの先端の重みを使ってスイングする選手の場合、バットが変わることで違和感があると思います。ただ、振り抜きやすさや操作性を重視する選手の場合は、重さが手前に来て芯に集まるので、振り抜く力がだいぶ変わると思います」
バットの先端が太くなることで芯が手元に近づくため「当たる面が大きい分飛びやすくなる」と話す一方、福永氏は導入するデメリットにも言及した。
「バッターも感覚の世界なので合わない選手もいるはず。むしろ好調の選手だったらわざわざ変える必要もないと思います。不調な選手ほど試しやすいですね」
ヤンキースの選手が本塁打を量産したことで火が付いたが、「能力はもちろん、メジャーの選手は使いこなす技術がある。バッティングが崩れないかどうかを慎重に見極めていく必要がある」と冷静だ。
魚雷バットでNPBに革命は起きるのか。今後の行く末にも注目していきたい。