<2025年 関西六大学野球 春季リーグ戦 第2節2回戦:大阪経済大9-5神戸学院大>◇14日◇ほっともっとフィールド神戸

 大阪経済大が逆転勝ちで対戦成績を1勝1敗のタイとした。

 勝利に貢献したのが3番三塁でリーグ戦初スタメンとなった藤江 龍之介内野手(1年)。昨夏に甲子園8強入りして大社旋風を巻き起こした時の正遊撃手である。

「このリーグは大商大さんがずっと勝っている。そういうチームを倒したい」と5季連続2位の大阪経済大に入学。開幕節からベンチ入りを果たし、前日にスタメン入りを告げられていたが、「まさか3番とは」と本人も驚きの大抜擢だった。

 最初の2打席は凡退するも2点ビハインドで迎えた5回裏の第3打席で待望の一本が出る。二死一塁から「引っ張ろうという気持ちで思い切りいきました」とチェンジアップを捉え、ライト線への適時三塁打。これが嬉しいリーグ戦初安打となった。

 この後にチームは相手の失策で逆転に成功。8回裏の第4打席ではヘッドスライディングで二塁への内野安打を勝ち取った。

 4打数2安打1打点と結果を残した藤江。「負けが続いている状況で3番を務めさせてもらった。『自分がチームを勝たせよう』と思える3番の起用だったので、応えられてよかったです」と胸を張った。

「想定内の働き。バッティングの状態も良かったので」と藤江を評価した高代 延博監督。NPB球団で長くコーチを務めた名指導者の見る目に間違いはなかった。

 林 翔大(ENEOS)や柴﨑 聖人(王子)など力のある選手が多く卒業した大阪経済大だが、「今年卒業した4年生の1年生と時と比べたら、今年の1年生はレベルが高い」と高代監督は今年の新入生に大きな期待を寄せている。

 昨春の甲子園準優勝メンバーで開幕戦から3番を打ち続けた安井 康起(1年=報徳学園)は「ちょっとお疲れモードだったので、気分転換に」と打順を6番に下げたのが功を奏したのか、8回裏に無死満塁から右越え2点適時二塁打を放った。これまでの4戦では14打数3安打と苦戦していたが、復調の兆しを見せている。

 藤江、安井を含め、この試合には5人の1年生が出場。新戦力が次々と台頭していきそうな予感が漂う。

「学年は下ですけど、試合に出たからにはしっかり引っ張って、神宮っていう目標に向けてこれからも頑張っていきたいと思います」と意気込む藤江。ルーキーの活躍がチームに刺激を与えている。