開幕から2週間が経過し、多くの球団で思わぬ誤算が発生している。中日では開幕から「4番・三塁」で起用されていた石川 昂弥(東邦)が成績不振により、登録抹消となった。
ドラフト1位で入団した石川はプロ入り当初から故障に泣かされたが、高卒4年目の2023年に一軍で121試合に出場し、打率.242、13本塁打、45打点を記録。昨年は82試合にとどまったが、打率.272、4本塁打、25打点を残した。
2025年から指揮を執る井上一樹監督は三塁のレギュラー格・福永 裕基(天理‐専修大‐日本新薬)を二塁にコンバートして石川を「4番・三塁」に据えた。しかし、開幕から13試合で打率.160、0本塁打、3打点と振るわず、二軍調整を命じた。
2023年に2桁本塁打を放っていたこともあり、4番に置くなど、大きな期待をかけたが、今回は上手くいかなかった。高卒スラッガーの育成は一筋縄ではいかず、巨人の岡本 和真(智弁学園)のように高卒4年目に一気に覚醒するケースもあれば、時間を要すケースもある。
DeNAの筒香 嘉智(横浜)も高卒3年目には規定打席到達者では最下位の打率.218に沈むなど、4番に定着する前には我慢強い起用もあった。ヤクルトの村上 宗隆(九州学院)は高卒2年目に36本塁打を放ち、新人王を獲得しているが、同年は打率.231、リーグ最多の184三振を喫した。4番を打つ試合もあったが、基本的には6番や7番などに置かれ、我慢強く起用されていた。
中日でどのような育成プランがあったかは不明だが、実績のある細川 成也(明秀日立)を中心に据え、石川を下位に置くのも、1つの選択肢であっただろう。石川が再び一軍昇格を勝ち取り、一軍でのブレイクに期待したい。