4月も半ばに入り、各球団は5カードを終えた。パ・リーグではオープン戦で最下位だったオリックスがNPB新記録となる開幕からビジター8連勝を記録するなど、首位に立っている。なかでも目立つのが、12球団トップの66得点を叩き出している強力打線だ。
パ・リーグの打撃ランキングを見ると、1位こそ渡部 聖弥(西武/広陵)に譲っているものの、2位から5位までは太田 椋(天理)、頓宮 裕真(岡山理大付)、杉本 裕太郎(徳島商)、西川 龍馬(敦賀気比)とオリックス勢が並んでいる。プロ入りから規定打席到達経験のない太田は、この勢いを継続しシーズンを完走したいところだろう。太田に続く頓宮、杉本、西川は、昨年は苦しみ、今シーズンの復活が期待されていた選手たちである。とはいえ、ここまでのスタートダッシュを見せるとは予想できなかっただろう。まさに想像以上の活躍で、脅威の得点力を生み出している。
パ・リーグの他球団を見渡すと、想像以上の活躍を見せている選手がいる。規定打席には到達していないものの、郡司 裕也(日本ハム/仙台育英)と藤原 恭大(ロッテ/大阪桐蔭)もそうだ。郡司は打率.345(29打数10安打)に加え、4月11日の西武戦では代打サヨナラ本塁打を放つインパクトも残した。一方の藤原も打率.455(22打数10安打)と好調を維持している。ドラフト1位ルーキーの西川 史礁(龍谷大平安)がプロの壁にぶつかり登録を抹消されたなかで、藤原の存在感が光っている。
先発投手では北山 亘基(日本ハム/京都成章)と曽谷 龍平(オリックス/明桜)が、想像以上の投球内容を見せている。いずれも規定投球回には到達していないが、北山は11回を投げ防御率0.82、曽谷は12回を投げ防御率0.75と圧巻の内容だ。日本ハムには伊藤 大海(駒大苫小牧)、オリックスには宮城 大弥(興南)というエースがいるなかで、2番手以降の投手たちがエース級の投球を見せてくれるのは心強い。
これまでに実績のなかった選手や、昨シーズン不振や故障で低迷した選手たちが春先から想像以上の活躍を見せると、チームに勢いがつく。その典型が、今季のオリックスだろう。
オリックス勢はもちろん、他球団の選手たちも“春の珍事”で終わらぬことを期待したい。