<秋季埼玉県高等学校野球大会:早大本庄7-0 国際学院(8回コールド)>21日◇2回戦◇県営大宮球場
レジスタ大宮球場の第2試合は昨秋1年生中心で戦いベスト16に進出した経験値の高い早大本庄が国際学院の挑戦を受ける。
先発は早大本庄・田中 柊成(2年)、国際学院・小杉 快斗(2年)と両エースが登板し試合が始まる。
早大本庄・田中はライオンズジュニアユース出身で小柄だがMAX143kmの直球にカーブを交えとにかく制球力の良いオーソドックスな右腕。1年の夏から公式戦に登板するなど経験豊富で昨秋の3回戦では山村学園・西川 歩(3年)と投げ合っている。一方の国際学院・小杉は安定感がウリの技巧派右腕だ。
早大本庄が初回幸先良く1点を先制すると、2回裏も田中のヒットなどで無死満塁とし、二死後、1番・渡 邉碧(2年)がタイムリー内野安打を放ち2対0とする。
4回裏にも二死二塁から相手のタイムリーエラーで3点差をつけた早大本庄は、その後国際学院・2番手・古宇田 陽生(2年)に苦しむも、7回裏、国際学院・3番手の右サイド穴沢 太一(2年)を攻め、相手のタイムリーエラーと押し出し四球で2点を追加。8回裏には、8番・戸川 裕太(2年)のヒットなどで一死一、三塁とし、2番・野原 葵(2年)のセーフティースクイズと4番・工藤 大輝(2年)のタイムリーで7点差をつける。
投げては早大本庄・田中が国際学院打線を寄せ付けず8回被安打2、10奪三振無失点と好投。
結局、早大本庄が8回コールド7対0で国際学院を下し2年連続で3回戦へ進出した。
国際学院は新チームに現状旧チーム・金子 紀大(3年)のような大黒柱がいない。
「早大本庄は多くの選手が下級生で夏の大会を経験しているので野球が成熟していて練度の高い野球をしてくるなと。外に直球と変化球を投げられ安定感のある田中君の存在が守備から作って、点を取られないからゆっくり攻められるチームなのはわかっていた。後半2点差くらいで追いかけていけたら、チャンスがあると思っていたんですが。古宇田は先発も考えましたが、体調不良でぶっつけ本番。7回左が続く所での継投は球数で見てあそこが限界。最後は選手層の薄さが出た。新チームは大黒柱がいないので、春まで投打共に底上げをしたい」(川島監督)
と、ないものねだりをせず再出発を誓った。
一方の早大本庄は投打に活躍した大黒柱・田中の存在が大きい。今大会2試合に先発し14イニングで被安打3、四死球1、奪三振14、失点0、球数148球と安定感抜群。
「今日はテンポ良くストライク先行で投げられたので守備の流れにも繋がったかなと。前の試合立ち上がりが良くなかったので、今日はそこを意識して投げられた。三振はコースを気にして投げようとキャッチャーと話し合った結果。夏以降カーブが使えるようになったのが大きい。昨秋対戦した山村学園・西川さんを紹介して頂きフォームやプロセス、変化球など様々なことを教わってレベルアップできたかなと。スムーズな体重移動で力まず投球することを心掛けている」(田中)
と、向上心も高くチームに安定感をもたらしている。
打線も決して爆発した訳ではないが、小技を絡め相手のミスを誘発し小刻みに点を奪うしたたかな戦いぶりを披露。昨秋以降の経験値を生かした形だ。
「渡邉や酒井 煌季(2年)などチーム内での競争があり、今の2年生は誰が出てもという状況になった。そのため昨秋レギュラーで出場していた子でもメンバーに入れる保証はない。田中は前の試合の初回に苦しんだが、今回も同じ球場で安心感があったと思う。1年生の昌平戦で登板経験もありますし彼を信頼している。球も速くなり尻上がりに調子が上がるタイプなので。昨秋敗れた山村学園へのリベンジもそうだが、まずは次の坂戸戦です」(福永監督)
と、チームの成熟度に目を細めるも冷静に先を見据える。順調に勝ち上がり山村学園へのリベンジを果たすことができるか。