球団史上初の連覇を狙う阪神は巨人相手にゲーム差1と猛追している。

 その勢いを生んだのが、2017年ドラフト2位の髙橋 遥人(常葉橘出身)だ。2020年に5勝4敗、防御率2.49、2021年に4勝2敗、防御率1.65の成績を残した髙橋だが、トミー・ジョン手術を受けたことで2022年、2023年と2年連続で一軍登板はなかった。その左腕が今年8月23日に一軍復帰。そこから4試合連続で好投を見せ4連勝。23.2回を投げ失点はわずかに4と抜群の安定感を誇っている。23日の巨人戦で先発。阪神にとっては心強い投手が帰ってきた。

 中継ぎでは岡留 英貴(沖縄尚学出身)が飛躍を遂げた。昨年は8試合の登板にとどまった大卒3年目の右腕だが今年はすでに33試合に登板。1勝0敗、5ホールド、防御率2.83の成績が示す通り、まだまだ僅差の勝ち試合で登板する機会は多くない。それでも展開によっては回跨ぎもでき、安定した投球ができる岡留の存在は大きい。21日のDeNA戦ではプロ初セーブとなった。勝負の9月は、ブルペンの厚さが大きく物をいう。そのままシーズンを走り抜きたいところ。

 野手では前川 右京(智弁学園出身)がレギュラーを掴みつつある。2年目の昨シーズンは33試合の出場にとどまったが、今年は開幕から併用されながら出場を重ねシーズン中盤には3番を任されることも多くなった。110試合の出場で打率.275(309打数85安打)、4本塁打、OPS.717と高卒3年目としては文句ない数字が並んでいる。このままレギュラーを確保することが、今年だけでなく来年以降のチーム作りにも大きく影響することになりそうだ。