<神奈川大学野球秋季1部リーグ戦:神奈川大6-5横浜商大>◇22日◇第3週2日目◇関東学院大学ギオンパーク

 神奈川大が横浜商大に22年春季リーグ戦以来の勝利をあげた。終盤の8回には神奈川大の石井 将吾投手(4年=相洋)がマウンドに上がり、好救援で勝ち越しを許さず勝利に導いた。

 石井は主に中継ぎとして活躍。この日も2点差に迫られた所でマウンドにあがったが、「チームの流れが悪い中で、舞い上がったりすることなく冷静に各打者に丁寧に対応できた」と1点を失ったものの、2死満塁で最後の打者を見逃し三振に取って流れを断ち切った。

 大学入学後は1日5食で体重を増やし、球速も7キロアップして最速は大台の150キロを計測した。自慢の直球に加え、変化球にも力を入れた。特に落ちる球に磨きをかけ、「左右の打者に関係なく、直球で空振りを取り切れない時に落とせるようにしています」と投球の幅を広げて好投に繋げているという。

 集大成のシーズンで躍動する右腕に岸川 雄二監督も、「一番信頼している。石井で打たれて負けても仕方がない」と絶大の信頼を置く。大学入学後は1年生からストッパーとして登板し、2年時には大学選手権大会にも出場。当時は川合 勇気投手(現・日本製鉄石巻)とのダブルストッパーで活躍していたが、今秋は4年生として本間 陸斗投手(2年=松本国際)と共に投手陣を支えている。4年生としてチームを牽引する姿に「2人がいるから先発陣も飛ばしていける。先輩を見て石井もよく成長してくれた」と称えていた。

 下級生のころから登板経験もあるが、怪我も重なり苦しい時期も続いた。それでも、「この4年間でバタつくことがなくなった。元々緊張しやすいタイプだったが、覚悟を持って投げている」と選手としての能力だけでなく、メンタル面での成長も指揮官は評価している。石井自身も回跨ぎで最終回のマウンドにもあがったが「とにかく冷静に投げることができました」と0で抑えて勝利をもたらした。

 石井は庄子 雄大内野手(横浜)とともにプロ志望を提出しており、吉報を待つ。プロ入りに向け残りの期間では、「ピンチでも直球で空振りを取り切るところや、インコースを攻めきるところ」を武器にドラフト入りを目指している。