<秋季鹿児島県大会1回戦:れいめい 11―4 徳之島(8回コールド)>◇2024年9月25日◇平和リース球場

 れいめいは初回、二死から中前打で出塁した3番・宮下 航樹主将(2年)が二盗を決め、4番・碇山 和尚(2年)の右前適時打で先制した。

 3回も二死一塁から3番・宮下航の左前適時打を皮切りに3連打を浴びせ、5番・矢野 航成(2年)の中越え2点適時二塁打で計3点を追加した。

 れいめいの今大会注目の好左腕・伊藤 大晟(2年)を攻略しあぐねていた徳之島だったが4回、先頭の4番・白坂 心之丞主将(2年)から3連打を浴びせ、ボーク、9番・岩崎 朔磨(1年)のスクイズ、1番・竹下 遼(1年)の左前2点適時打で同点に追いついた。

 れいめいは6回裏、1番・谷口 知希(2年)の中越え二塁打で2点を勝ち越し。7回は5番・矢野、6番・井龍 健太(2年)の連続三塁打で1点を加点。8回は徳之島の守備の乱れを突いて好機を作り、谷口の4打点目となる右越え2点適時三塁打、2番・西川瑛太(2年)の左前適時打で点差を広げ、最後は5番・矢野がスクイズを決めて7点差とし、コールド勝ちを決めた。

 6回裏の守備が始まる直前、徳之島の地頭所眞人監督は「嫌な予感がした」という。投球練習を締めくくる捕手からの二塁送球が逸れた。カバーに入った遊撃手から投手への返球も乱れた。

 スコアは4―4の同点。記録には何も残らないが、終盤の勝負所を前に、ちゃんとできて当たり前、良いパフォーマンスをして勝負所を乗り切るための準備で乱れた。案の定、先頭打者の二ゴロを一塁悪送球。そこから畳みかけられて失点が続き、無念のコールド負け。「何とか止めたいという気持ちはあったが、集中力の体力が続かず、自分たちから崩れてしまった」と白坂主将は悔しがった。

 逆にいえば「集中力の体力」を使い切ってしまうほど、5回までは集中できていた。強打れいめいに4点のビハインド。左腕エース伊藤は最速140キロ超の球威を持つ好投手だったが、4回につながりのある集中攻撃で同点に追いついた。

 2回はあえて待球して2つの四球を選び、満塁とした。得点こそ入らなかったが、相手エースのボールを見極めたことが、集中打につながった。「直球か変化球、どちらかに絞り、ファーストストライクから狙った」4番・白坂の右前打が口火となった。5回裏は無死二三塁のピンチで当たっている中軸を迎えたが、長尾 涼(1年)―白坂のバッテリーは冷静に投球を組み立て、無失点で切り抜けた。

「前半、彼らの良い所が出ていただけに、悔しい」と地頭所監督。強豪私学を相手に何が通用し、勝ち切るために何が足りなかったのか。来春以降、更なるレベルアップをするために、島に持ち帰る「宿題」が山ほど得られた貴重な敗戦だった。