<秋季鹿児島県大会1回戦:池田 11―6 樟南二>◇2024年9月25日◇平和リース球場

 池田樟南二、どちらも9人チーム同士で点の取り合いを繰り広げた。

 池田は初回、4番・鈴木 陽(2年)の中越え二塁打で先制すれば、その裏、樟南二は相手の悪送球と4番・森山 龍皇(1年)の中越え二塁打で逆転した。

 5回、4番・鈴木の左前適時打、6番・住喜景(2年)の犠飛などで3点を挙げて、再びリードしたがその裏、樟南二は1点を返し、6回裏は下位打線が連打を浴びせ、8番・福林 佑基(2年)の右前適時打で同点に追いついた。

 池田は7回表、一死から4安打を集中し、3点を勝ち越し。9回には7番・西村一真(1年)の中越え2点適時三塁打、1番・湯地 定篤主将(2年)の左越え適時三塁打で3点をダメ押した。

 樟南二もその裏、2点を返し意地を見せたが、反撃もここまで。池田が2時間28分続いた点の取り合いを制した。

 終盤点差をつけられて敗れた樟南二だったが、「今大会に単独で出られたことが何より良かった」と我那覇悟志監督は語っていた。

 夏が終わって3年生9人が抜け、1、2年生は6人。「助人」を集めて単独で出るか、他のチームとの合同か、2つの選択肢があったが、ギリギリまで単独で出る道を模索した。

 これまでも助人を借りて出たことはあったが「今までは監督や部長が大会に出たいと思って助人をお願いしていた。今回は部員たちが自分で声を掛けて仲間を集めていた」(我那覇監督)。

 想いは「何としても単独で大会に出る」(辰濱 海静主将・2年)のただ一点。部員の6人やマネジャーの才木明日姫が同級生に声を掛け、2年生の伊藤 塁、作田 大和寿、1年生の平山 仁貴、3人が大会に出ることを了解してくれた。単に試合に出るだけでなく、遠征費など費用もかかる。面縄中の同級生・飯田 晃大に誘われた伊藤も最初は渋っていたが、熱心な誘いに出てみる気になった。

 左翼の守備は「怖かったが夢中で守った」。6回は貴重な同点につながる左前打を打って「気持ち良かった」。試合には敗れたが「みんなで一緒に何かをすることがなかったので、青春の良い思い出ができた」。

 9人ギリギリでの出場だったが「自分が打てなくても、周りが打ってくれたことが心強かった」と辰濱主将。我那覇監督は「大会に出て樟南二の名前を残し、実戦を経験できたことに意味がある」と助人の3人に感謝し、来春以降も単独で出続けることに意欲を燃やしていた。