<秋季埼玉県大会準々決勝:浦和実 4ー0 浦和学院>◇2024年9月26日◇県営大宮球場

 「ここまで苦しめられるとは思っていなかった。想定外でした」(森監督)

 優勝候補・強打の浦和学院打線が変則フォームの左腕、浦和実のエース・石戸 颯汰(2年)の前によもやの2安打完封負け。しかも7回二死まで石戸に完全投球を許した。

 先発は浦和学院が1年生左腕の城間 琥珀。初回はうまく立ち上がるも、2回に浦和実打線に捉まり二死から3連打を浴び2点を失うと、4回も先頭から3連打を浴び2番手・伊藤 蓮(1年)へマウンドを譲った。

 打線も先に失点を許し焦りが出たのか、フライアウトが多くなり浦和実・石戸の術中に嵌る。

 最終回、相手エラーと死球で無死一、二塁とチャンスを得るも後続が倒れ万事休す。結局、浦和学院浦和実に0対4で完封を喫しセンバツ出場が絶望的となった。

「城間もよく投げたが2回に三塁線を破られ劣勢で行っていた部分が。うちは岡部がエースになりますけど、岡部以外の投手も投げられるようにならないとこの先勝っていけない。そういう意味では今のうちの課題が出たのかなと。石戸君は普通に良かった。変則気味に来てますが直球が強かった。その直球をうちが仕留めきれなかった。外のボールがしっかりピタッと来ていたんで。秋の時点ではそこを打ち崩せなかった。左対策はやってきたんですが、相手が想定以上でした。3つ激戦区を勝ってきて、その勢いでと思っていたので厳しい敗戦になりましたが、厳しい冬を乗り越えてしっかりと準備していきたい。ただ、守備が破綻していたら最初の3つも勝てていないので勝てたことは一つの成果として、ベスト8からの3つを勝ち切れるように。新規格のバットになり打線が点数を取れない中で守備は鍛えてきてその成果は出たが、夏を見据えより強い打球を打てる練習をします」(森監督)と、試合後悔しさを滲ませるも課題克服へ前を向いた。

 7回に意地の初安打を放った主将・西田 瞬(2年)も「良い投手だった。相手投手も良かったんですが、変化球でストライクを取られてしまい、フライアウトが多くなり修正できなかった。焦りというか力不足。淡白な攻撃をしてしまい、球数を投げさせるであったり、四球を取るであったり、そういった工夫が少なかった。裏に裏にという意識が少なく劣勢になった時に自分が打ってやろうと各個人がなってしまった。最終回は夏最後の打者になって初球からどんどん行こうと思っていて取られてしまうあたりが課題かなと。どこのチームよりも練習したい」(西田)と、この悔しさをバネに春以降の奮起を誓う。

 投打のポテンシャル、経験値共に高かっただけに、ここでの敗戦は意外であった。だがこれが最激戦区の怖さ。浦和学院はこの悔しさをバネに春以降また一回り強くなることができるか。