2024年に開場100年を迎えた甲子園。いまもむかしも変わらず、野球人にとってあこがれの舞台であり続ける聖地で、今年も大学準硬式は大会を開催する。三機サービス杯 第3回全日本大学準硬式野球東西対抗日本一決定戦 甲子園大会と銘打って、11月21日に開催する。
2022年に実現してから今回で3回目。現場からは、甲子園でプレーできることがモチベーションに変わっているという声が、徐々に聞こえ始めている。選手たちの意識の中に、「大学準硬式でも甲子園でプレーできる」という意識が浸透し始めており、大学準硬式にとって一大イベントになりつつある今大会。とはいえ、開催する趣旨はずれることなく、大学準硬式の認知拡大はもちろん、参加者する学生たちの育成やファン増加、さらに大学準硬式の組織強化という4つの柱は変わらない。
そのためのプログラムとして野球だけをやるのではなく、インテグリティ研修会やキャリア支援研修会といった学びの場も設けている。文武両道を謳う大学準硬式らしく、今年も学生主体となって大会を開催する。
選手選考でも学業の基準が以下のように明記されており、連盟として文武両道を大事にしているのが伺い知れる。
1 本大会趣旨を熟知の上、趣旨に相応しい行動ができる人物であること
2 本連盟の理念である「学業とスポーツの両立」に相応しく大学準硬式野球を代表する人物であること
① 学業の基準について、「成績不良」で活動停止になっていないこと
② 選手のスポーツ基準について、以下の項目のいずれかに該当する者が好ましい。だたしこの限りではない
リーグ戦等のベストナインまたは次点者、それに準ずる者(以下参考基準参照)
投手:オーバースローの場合は140km以上、サイドスローは135km以上、アンダースローは130km以上である者(左投手は右投手の基準から5km減とする)
捕手:二塁送球する場合、捕球から二塁到達まで 2 秒以内で送球できる者
野手:スイングスピードが130km以上である者
走塁:二塁盗塁がスタートからベース到達までに3.50 秒以内で走れる者、一塁駆け抜けが右打者の場合、4.3秒以内、左打者の場合4.2秒以内で走れる者
その他:上記項目以外で特筆すべき技能を持つ者
この基準をクリアして、今大会に参加する選手たちが東日本、西日本それぞれで25人ずつ発表された。
第2回で勝利した東日本は、8月、9月に開催された全国大会に出場した各チームの主力が多く名を連ねた。特に投手陣は、東海地区を代表する好投手がずらり。前回大会も経験した名古屋商科大・松下 未来投手(県岐阜商出身)を筆頭に、最速145キロの中京大・西村 祐人投手(中京大中京出身)や最速142キロの名城大・石川 将汰投手(星城出身)、さらに大型二刀流の日本福祉大・佐藤 龍人投手(東邦出身)が招集された。
対する西日本は野手陣に全国大会に出場したメンバーが多い。なかでも全国ベスト8まで進出した同志社大の篠原 一球内野手(高松商出身)をはじめ、宮川 夢亜捕手(社出身)、波多野 悠大内野手(神戸弘陵出身)、勝股 優太内野手(社出身)の甲南大トリオなどが招集された。加えて、前回大会に出場した大阪経済大・伊藤 元翔内野手(初芝橋本出身)といった経験者も選ばれており、チームの軸になりそう。
とはいえ勝負だけではなく、学びの場でもある今大会。今年はどんな大会となるのか。なお午後からは、第42回全日本大学9ブロック対抗準硬式野球大会の決勝戦が予定されており、全関西選抜と全九州選抜の一戦が控えている。