＜埼玉県大会準々決勝：春日部共栄2-0川口市立＞26日◇準々決勝◇県営大宮球場
これはもう秋の本命と言っていい状況であろう。
優勝候補・春日部共栄にとっては勝負の秋。なんといっても春日部共栄を県内屈指の強豪へ育て上げた名将・本多利治監督にとって最後の秋は今のところベスト8まで順調に歩を進めている。県初戦の市浦和戦は6回コールドで勝利すると、続く武南戦でもエース大野 泰輝（2年）があわやノーヒットノーランの1安打完封と完璧な投球を披露しベスト8へ進出した。
迎えた川口市立戦、先発は春日部共栄がその大野、一方の川口市立は1年生左腕の栗原 鉄平が登板し試合が始まる。
春日部共栄は初回、先頭の広瀬が二塁打を放つもオーバーラン時にバランスを崩し刺される。二死後、3番・濱田が再度二塁打を放つなど二死一、二塁とするが後続が倒れ、二塁打2本に1四球を選びながらも無得点に終わる。
試合はその後、両校毎回のようにチャンスを作るも、なかなかあと一本が出ない。
4回表には川口市立が、この回先頭の西 陽基（2年）が三振振逃で出塁すると、続く菊池 悠星（2年）のバスターがファースト強襲ヒットとなり無死一、二塁とする。6番・道山 奏仁（2年）がきっちりと送り一死二、三塁とするが、続く栗原の内野ゴロで三走・西が自重も二走・菊池が飛び出し、結局、三走・西が挟殺され無得点に終わる。
先制したのは春日部共栄。
5回裏、一死から9番・大野がレフト前ヒットを放ち出塁すると、二死後、2番・一條 隼颯（2年）もレフト前ヒットを放ち二死一、二塁とする。ここで3番・濱田 空亜（2年）がライト前タイムリーを放ち1点を先制する。
春日部共栄は8回裏にも一死から5番・樋本 陸（2年）がレフトスタンドへソロ本塁打を放ち貴重な追加点を奪う。
投げてはエース大野がこの日も打撃に自信を持つ川口市立相手に対し毎回の14奪三振4安打完封勝利を飾る。
結局、春日部共栄が2対0で川口市立との接戦を制し準決勝へ駒を進めた。
まずは川口市立、先発・栗原は良く投げた。だが、この日はウリである打線が大野に封じられ繋がらず。
一方の春日部共栄はとにかくエース大野が今大会24イニングで被安打7与四死球6無失点と安定している。
「旧チームではどうしても一戦良い投球しても続かなかったということで、スタミナ強化として夏場徹底的に走り込ませた」（本多監督）と、夏以降、エース大野へスタミナ強化を促したことが、ここへ来て効いている。次の相手は逆転で打ち勝って打線に勢いがある西武台が相手だ。簡単な相手ではない。エース大野を立てないと厳しい相手であろう。一点気掛かりなのは、今大会全て大野が投げていること。この日も140球完投。中1日でその疲労度がどうか。彼がいつも通りのピッチングが最後までできるかが関東大会進出への鍵だ。走り込みの成果が問われる。本多監督最後の秋は続く。
