<2024秋季近畿学生野球リーグ戦:神戸医療未来大10-4阪南大>27日◇第5節1回戦◇南港中央野球場

 近畿学生リーグの神戸医療未来大にドラフト候補の剛腕がいる。それが最速154キロ右腕の牟田 稔啓(4年=香椎)だ。

 高校時代から145キロの速球を投げる投手として活躍。鳴門工高、鳴門渦潮高、早稲田大で指揮を執った名将・髙橋 広監督が率いる神戸医療未来大に進んだ。

 チームは今春から1部昇格を果たしているが、春は右肘を痛めて登板なし。秋は開幕戦でリリーフ登板するも一つもアウトを取れずに打者3人で降板している。

 それ以降はリーグ戦の登板から遠ざかっていたが、優勝も最下位も可能性が消えたこの日は先発登板。5回を投げて、3安打5四球8奪三振の4失点で1部初勝利を飾った。

「初回と2回はボールが先行して、タイムリーを打たれて、慌てた入りになってしまいました」と1、2回は先頭打者の四球をきっかけに2回までに3失点。それでも2回裏に味方が逆転すると、「3、4回は自分の持ち味を出すことができました」と本領を発揮する。

 3回表は三振2つで三者凡退に抑えると、4回表は三者連続三振。ストレート主体の配球に変えたことが功を奏した。

 5回表には適時内野安打で1点を失い、この回限りで降板。チームのスピードガンでは152キロをマークした。

 安定感には課題があるが、素材は一級品。スタンドには2球団のスカウトが視察に訪れていた。

 既にプロ志望届は提出済み。育成でもプロに進む意向を示している。大学で際立つ実績を残すことはできなかったが、将来性を評価して指名する球団が出てくるかもしれない。