バッテリーが残る夏ベスト4の杜若、逸材が多い誉、147キロ左腕擁する高蔵寺なども見逃せない
東三河地区2位の豊橋中央は、前チームから投手陣がごっそり抜けたのが不安材料だ。尾張勢の大成か誠信を下して3回戦へ進出できるかどうか。桜丘は、同地区のライバル2校にやや遅れをとっている感じになっているが、この秋は巻き返しを狙う。
西三河地区1位は夏の選手権でベスト4に進出した杜若だ。一次トーナメントは圧勝して、二次の決勝トーナメントでも刈谷、三好といった公立勢に競り勝った。準々決勝まで進めば誉、もしくは中部大一、名城大附あたりと対戦しそうだ。夏の躍進の原動力でもあった西脇光世投手(2年)と北本祐規捕手(2年)のバッテリーが残っているのは大きい。夏、東邦との準決勝をタイブレークの末に落とした後に田中祐貴監督は「ここまで来られたことは自信となったとともに、ここから先のもう一つの壁の厚さも実感させられた」と述べていたが、昨夏のベスト8から今夏のベスト4と階段を一つずつ上ってきている。この秋への期待も高まる。今大会も台風の目となりそうな予感をさせてくれるチームだ。
尾張地区では愛知啓成が1位校となったが、3回戦で当たりそうな至学館との試合が最初の壁となりそうだ。至学館には、その前に西三河の好チーム・西尾と当たりそうだ。尾張地区では2位校の誉にブラジル系の両親を持つ右腕・モレチアレシャンドレ投手(2年)がいる。1年生時はじっくりと土台を固めてから、この秋から本格デビューし、最速143キロをマーク。NPBスカウトから注目を浴びる存在となっているが、調子にムラのある所が難点にもなっている。矢幡真也監督も「投げさせてみないとわからないところがある(苦笑)」と語っている。安定しているのは南原誉蓮投手(2年)と経験値のある樋口澄明投手(2年)だ。この投手陣がまとまってくるようだと、面白い存在になっていきそうだ。大成と誠信は初戦で対戦するがともにチーム力は高い。
知多地区勢は知多翔洋が1位校となり、日本福祉大附が2位校となった。夏のベスト4の日本福祉大附は前チームに比べると粒が小さくなったことは否めない。
注目したいのは名古屋地区の公立校。高蔵寺の最速147キロ左腕・左腕・芹澤大地投手(2年)。専門誌にも取り上げられるくらいの逸材だ。しなやかさは、それほどあるというワケではないが、入学当初120キロだった球速が、2年夏では常時140キロ台にまで上がってきている。伸びしろはまだまだありそうだ。中部大春日丘を下した向陽には左腕・軍司拓海投手(2年)と佐藤弘野投手(2年)、手島凌栄投手(2年)と豊富な投手陣がいる。一次トーナメントで東邦を下した天白、星城を下した千種などの戦いぶりも気になるところだ。