<秋季京都府大会 準々決勝:龍谷大平安 10-0 京都文教(5回コールド)>◇2024年9月28日◇わかさスタジアム京都

 龍谷大平安が5回コールド勝ちで4強入り。2年ぶりの近畿大会出場に王手をかけた。

 龍谷大平安は立ち上がりから試合の流れを掴む。1回裏に一死二塁から3番・岩谷 陽斗(2年)がレフトに適時二塁打を放って先制。さらに二死二、三塁から6番・前田 塁翔(2年)の左前2点適時打で追加点を挙げた。

「先制点を3点取れたので、凄く良いペースになった」(原田英彦監督)とその後も龍谷大平安ペースで試合が進んでいく。2回裏には4番・上田 愛輝(2年)の右中間への2点適時打などで3得点。3回裏と5回裏にも2点を加え、5回でゲームを終わらせた。

 先発を任されたのは背番号1の左腕・山本 陽斗(2年)。二段モーションでテイクバックの小さい独特のフォームから右打者の内角に食い込むストレートを持ち味とする投手だ。

「いつもより球が来ていなくて、変化球もあまりストライクが入っていなかった」と捕手の上田は話していたが、要所を締めて5回無失点。最速146キロ右腕の鏡 悠斗(2年)も控えており、投手陣は充実している。

 近年は上級生主体のチームを組んでいる龍谷大平安だが、今年は髙須 悠利と松本 創太の二遊間コンビが1年生。「元気があるので、二遊間に据えました」と原田監督の期待値は高い。特に松本は代打などで夏の京都大会でも活躍しており、これからチームを引っ張っていく存在になりそうだ。

 打線は1点に抑えられた4回戦の京都産大附戦から打順を組み換えたのが功を奏した。3番・岩谷が2打数2安打1打点、4番・上田が4打数3安打3打点と大当たり。打線につながりが生まれ、10安打10得点と効率の良い攻撃ができた。

 守備からリズムを作り、相手のミスを逃さずに畳みかける手堅い野球は今年も健在。伝統の強さは新チームにも確実に継承されている。

 今夏は同じ京都勢の京都国際が甲子園で優勝。原田監督も当然、刺激を受けている。「京都が強いというところを印象付けないといかん。僕らも頑張らなアカンと思っています」と意気込んでいる。

 近畿大会出場決定まであと1勝。京都を代表する名門の名にかけて、主役の座を譲るわけにはいかない。