<令和6年度第77回秋季千葉県高等学校野球大会:千葉黎明 8ー3 東海大浦安>◇28日◇3回戦◇千葉県野球場

 千葉黎明が終盤に突き放し、8対3で東海大浦安を下してベスト8進出を決めた。

 秋はここまで今春センバツ4強に入った中央学院を初戦で撃破すると、続く成田戦も2対1と接戦を制し、強豪を倒して勝ち上がってきた。チームとしても勢いに乗る中、この日は主将の山本 大我が長打3本を含む5打数5安打の大暴れ。同点の7回には、二死三塁の好機で打席が回ると初球を右前へ運んで決勝打を放った。ここまで2試合で0安打と苦しんでいたが、「今まではチームメイト助けられていたので、今日は自分が打てて良かった」と笑顔で振り返った。

 中野 大地監督は、「この2、3年でバッテリーを中心に守備走塁を意識したチームを作り上げてきた」と話すが、この日光ったのは走塁意識の高さだ。選手一人ひとりが常に進塁を狙う姿勢を崩さず、チーム全体で4本の3塁打に2盗塁と目指すべき野球を体現した。2本の3塁打を放った山本は「チームの中で足を使った攻撃に力を入れているので、次の塁を取ることができて良かった」と自信を覗かせる。

 新チームから主将を務める山本は、「精神面も含め、下の学年の選手がプレーしやすいように心がけている」と、自身が下級生の頃から試合に出続けている経験を活かしてチームをまとめている。当初は責任も感じていたというが、「それが理由でプレーの質が落ちてしまったら意味がない。そこは分けて考えてやるようにしてきた」と結果でチームを引っ張ることを誓う。指揮官も「下級生からで続けている選手も多い中、私のやりたい野球の理解度と実戦力が高く、私生活の面でも手本になる」と太鼓判を押し、厚い信頼を寄せる主将の活躍に期待がかかる。

 今夏は初戦で敗れ、「3年生の思いも背負い、悔しさをバネにして秋季大会まで練習に励んできた」と山本。新チームになってからは、守備走塁に加えて例年以上にバットを振り込み、攻守で質の高い野球を目指している。

 次戦はベスト4日をかけて東海大市原望洋と対戦。中野監督は、「自分達のやりたい野球に専念すれば勝ちもついてくる」と選手たちを鼓舞していた。