<秋季群馬県大会:前橋育英3―1関東学園大付>29日◇準々決勝◇小倉クラッチ・スタジアム桐生球場

 2013年夏の、第95回全国選手権大会では初出場初優勝の快挙を果たしている前橋育英。群馬県勢としては、桐生第一に続く全国制覇校となった。以来、群馬県内の強豪校として県内高校野球を引っ張る存在の一つとなっている。

 この夏は、県内のライバルでもあり、春にはセンバツ優勝校となっている健大高崎と準決勝でぶつかり、延長タイブレークの末に惜しくも敗れている。新チームとして挑んだこの秋は、安定した戦いぶりでベスト8まで進出してきた。

 その前橋育英にぶつかる関東学園大付は、夏は2回戦で樹徳に敗れた。迎えたこの秋季県大会は渋川工藤岡北、伝統校の前橋工を下してのベスト8となっている。ここから先の壁が厳しいところなのだが、羽鳥達郎監督としても何とかワンステージ上げていきたいという思いであろう。

 前橋育英関東学園大付の先発山﨑 大護投手(2年)の立ち上がりを攻めて初回、1番長田 勘太郎選手(2年)が中前打で出ると四球とバントで一死二、三塁と先制機を迎える。ここで、山﨑投手はいくらか力んだか、高く外れて暴投となってしまい、前橋育英は労せずして1点が入った。

 2回にも前橋育英は四球の走者をバント野選などで進めて、またも一死二三塁として9番に入っている片岡 季里投手(2年)がしぶとく三遊間を破って三塁走者を還して2点目。このリードを片岡投手と植杉 大智投手(1年)で継投して、丁寧に投げて守っていった。さらに、前橋育英は5回にも4番中村 颯選手(2年)のタイムリーでもう1点追加していた。

 片岡投手は6イニング投げて4安打1失点だったが、自責点は0。植杉投手は3イニング投げて、打者10人に対して被安打1のみだった。荒井直樹監督の起用に応える好投だった。

 荒井監督は、「片岡が粘り強く投げてくれたし、植杉も動じることなくしっかりと自分の投球をしてくれた。守りでは、エラーもあったけれども、よく守れたのではないでしょうか。ただ、打てなさ過ぎました。ポイントのところではバントも決められたのでよかったのではないでしょうか。秋は、1週間でもチームは大きく成長していくことかあるので、まだまだ途上のチームですが、レベルアップはしていきたいと思っています」と、チームへの期待を語った。

 関東学園大付は、結果的には散発5安打。6回に相手失策から貰った1点のみにとどまってしまった。羽鳥監督としても、なかなか策の施しようがなかったというところではなかったのではないだろうか。