<高校野球秋季神奈川大会:横浜6-1武相>◇29日◇準々決勝戦◇サーティーフォー保土ケ谷球場

横浜のスーパー1年生 ・織田 翔希投手(1年)が、7回途中まで完全投球の快投で3年連続のベスト4進出に貢献した。

 今春からデビューを果たし、早くから主戦投手として活躍してきた逸材は、「感覚的にも良かったし、いい球もいっていた」と、この日も圧巻の投球を披露した。初回から二者連続三振を奪う立ち上がりを見せると、その後も自慢の直球を軸に武相打線を寄せ付けなかった。6回には三者連続三振でギアをあげ、完全試合も視野に入ったが7回一死を奪ったところで渡辺 羽音内野手(3年)に中前へ運ばれ、その後に失点を許して7回途中で降板となった。それでも毎回の10奪三振と持ち味を存分に発揮し、武相の豊田 圭史監督も、「高校生では中々打つのが難しい」とコメントを残すほどの内容だった。

 横浜の村田 浩明監督は、「本当は7回を投げ切って欲しかったが、体も細いし無理はさせられない」とイニングの途中でエースの奥村 頼人投手(2年)にマウンドを譲った。イニングが終わると、「最後までやりきる力をつけて欲しい。そこが成長しないとさらに上のレベルには通用しないと」と指揮官がエールを送ると織田は涙したという。それでも、「伸び代しかない投手。真っ直ぐの威力も増していって欲しいし、技術面だけでなく経験も必要となる。それぞれ選手が抱えている課題を超えていって欲しい」と期待を込めていた。

 織田も7回途中で降板した事に対し、「スタミナとやりきる力が足りない」と自らの課題を口にする。克服に向け、「打たれても自分の間使ってそのイニングを終わらせる」と話し、さらなる成長を誓った。

 同校はこれで3年連続の秋ベスト4進出となった。準決勝の横浜隼人戦で勝利すれば関東大会が出場が決まる。他を圧倒する総合力の高さで、秋の神奈川を制することが出来るのか注目だ。