<高校野球秋季神奈川大会:横浜隼人1-0向上>◇29日◇準々決勝◇サーティーフォー保土ケ谷球場

 横浜隼人向上を1対0で下して12年ぶりの秋ベスト4進出を決めた。エース左腕・白鳥 拓海投手(2年)が、101球2安打の熱投で1点の援護を守り切り、公式戦初完封をあげた。

 今秋から背番号1を背負う左腕は4回戦の藤嶺藤沢戦に続いて9回を1人で投げきった。水谷 哲也監督も、「白鳥がチームを引っ張っている」と連日の活躍に手放しで称えていた。

 そんなエース左腕の球を受けるのが正田 侑太郎捕手(1年)だ。白鳥とは横浜隼人中学時代からバッテリーを組んできたこともあり、4回戦で勝利した際には「何も言わなくても好きなボールを選択でき、考えていることも共有できている」と絶大な信頼を口にする。正田も、「球場の音で聞こえないこともあるので、言葉だけでなくジェスチャーも大事にしている」と試合中は両手を大きく広げながらリードするなど、バッテリー間でのコミュニケーションも密に取りながら相手打線を手玉にとっていくのが2人の持ち味だ。

 この日も「ストライク率も良く、テンボ良く投げられた」と立ち上がりから持ち前の制球力で低めに集め、凡打の山を築いた。3回には一死一、二塁のピンチを迎えたが、「慌てずのんびり投げようと伝えました。『点とられても返すから』と言って、楽な気持ちで投げることを意識させました」と後続を断つと、その後も得意のスライダー、カーブに加えて藤嶺藤沢戦後から1週間で覚えたというシンカーなども交えながら向上打線を2安打に抑えた。

 次戦はここまで磐石の強さを見せ勝ち上がってきた横浜と対戦。勝利すれば関東大会への出場が決まる重要な戦いに正田は、「1週間あるので、選手一人ひとりがこの日出た課題を改善していきたい」と次を見据えていた。