2024年も夏の甲子園を目指して、全国各地で地方大会が繰り広げられている。そんななか、今回の甲子園は一部午前、夕方2部制に分けて開催することが4月に発表されている。

開幕から3日間限定での取り組みにはなるが、暑さ対策の一環として導入。2023年には5回終了時に10分間のクーリングタイムと称される、休憩時間を設定したことが話題となったが、2024年も引き続き暑さ対策の取り組みを実施することとなった。

世間一般でも、夏場になれば、異常気象による酷暑が連日報道される時代。高校野球にもその波紋が来ることは容易に想定できる。

高校野球現場の熱中症対策の現状

これまでに大学野球を始め、数々の選手たちの指導に当たってきたアスレティックトレーナー・西村典子氏は、高校野球界の動きについて「関心は高まってきていると感じます」とコメント。と同時に、クーリングタイムや2部制の導入は年々気温が高まる現代において、「今できる最善策だと思います」と、昨年から続く熱中症対策に対して、一定の評価を示す。

とはいえ、「熱中症に対する予防・対策と、熱中症が疑われる選手への初期対応・応急手当が混同、もしくは正しく認識できていないと感じるところもある」と、西村トレーナーは現状に対する危機感を訴える。

実際に高校野球の現場に行って話を聞くと、「水分補給をしっかり摂るようにしています」という学校はもちろん、「食事をしっかり摂ることと、睡眠時間を確保する事は心がけています」とリカバリーに集中している学校がある。

一方で、「この時期に走り込みをすることで体力強化と、暑い中でも我慢できる集中力を鍛えています」と追い込んで、心身を鍛えるところもあるのが、高校野球の現場である。こちらは暑熱馴化(しょねつじゅんか)対策の一つとして取り入れていると考えられるが、選手のコンディションを注視しながら、熱中症を起こさないよう慎重に進めていく必要がある。

熱中症対策のポイントを解説!

場合によっては、一刻を争うような状態に陥ることがあるという熱中症。しかし、西村トレーナーが話したとおり、熱中症対策と熱中症が疑われる選手への対応は整理して考える必要がある。

では西村トレーナーの考える適切な熱中症対策とは何なのか。

「予防という観点では、大きな動脈付近、頸部(首回り)、脇の下、そけい部、膝裏などを冷やすこと。さらに手のひらや足裏にある動静脈吻合部(どうじょうみゃくふんごうぶ)などを冷やすことも深部体温を下げることに貢献します。冷やす時は凍傷のリスクを避けるため、保冷剤ではなく、氷や氷水を使うようにしましょう。あと時間ですが、ケースによって異なるのでひとまとめに言えないですが、疲労回復を目的としたアイスバスの場合は長くても10分程度が目安になります。
一方で、熱中症が疑われる選手がいるときは、まず体を冷やすことを優先させ、大きな動脈付近を始めとするところを冷やします。扇風機やうちわなどで風を送ることも良い方法です。水分補給などを行いながら体調を注意深く観察しますが、水分補給ができないような状態、意識がハッキリしない状態は迷わず救急車を要請してください。またアイスバスやゴムホースなどで水を送って全身を冷やし、一刻も早く深部体温を下げる行動を取ってください」

特に頸部に関していえば、甲子園を見ていると氷のうなどを活用して冷やしているシーンは多く見られる。さらに頸部を冷やすアイテムとして、ザムストからアイスバック首用が販売されるなど、商品は充実し始めている。

冷感ポンチョを活用して、効率的に冷やそう!

そのザムストより販売されている冷感ポンチョ「COOL SHADER」が、徐々に人気が出てきているという。

冷感ポンチョを水で濡らしたうえで、絞って振ることで気化熱が発生。それを利用して、冷却効果を発揮するという商品で、ザムストの独自調査では商品そのものが15℃まで低下するという結果が出ている。

実際に、「生地自体がひんやりとしていて、気持ちよかった」という声が出ているほど。肌でもわかる効果を発揮している冷感ポンチョ「COOL SHADER」。しかもその効果はポンチョ自体を振れば持続するという特長もあるとされている。

快適かつ安全にプレーするのに適した即効冷感の商品には、ほかにも様々な声が聞こえてきた。

「炎天下で使っていても、冷たくて気持ちいいです」(選手A)
「羽織りやすい大きさなので、上半身全体をアイシングすることができた」(選手B)
「冷感ポンチョで頭から冷やすことが出来ているので、脱いだ後も涼しい」(選手C)

このCOOL SHADERはフード付きで幅145センチ、高さ95センチという大きさのため、上半身は余裕で覆うことが可能。だから全身を広く冷やすことが可能となり、効率的に表面温度を下げることに繋がっており、選手たちは涼しさを感じているのだろう。

選手たちに限らず、炎天下で応援する保護者などにとっても嬉しい商品であるCOOL SHADER。アイスバック首用は首に巻き付けられるので、「手が空けられるので、だいぶ楽ですね」と使い勝手も良いみたいだ。頸部をしっかり冷やせるのでリフレッシュにも繋がるCOOL SHADERとアイスバッグ首用を併用すれば、より効率的に冷却できるだろう。

2024年の夏も気温が高くなることが予想されている。西村トレーナーが話したとおり、自身の命を守る意味でも熱中症対策を正しく理解し、適切に行うことが求められる。そのためにも、まず熱中症予防・対策への準備を怠らず、必要に応じて適切なアイテムを揃えることも大会前に検討して欲しい。

仮に大会中であっても、今回紹介した内容はすべて手軽にできることばかりである。命を守るため、そしてベストパフォーマンスを発揮するために、ぜひ実践してほしい。

今回登場した熱中症対策アイテムの紹介はこちらから!
冷感ポンチョ「COOL SHADER」
アイスバッグ首用

アイスバッグ