この夏の甲子園大会は、京都国際が優勝して幕を閉じた。関東一は延長タイブレークの熱戦で敗れ準優勝になったが、関東一らしい素晴らしい戦いぶりであった。早稲田実は3回戦で敗れたが、大社との一戦は、今後とも語り継がれる名勝負であった。しかし、熱戦の余韻に浸る間もなく秋季大会が始まる。28日に1次予選の組み合わせ抽選会があり、来月7日より1次予選が始まる。

 今年から変わるのは、東西の代表で甲子園大会に出場したチームは、1次予選は免除になることだ。甲子園で試合をしていた分、新チームの結成は遅れる。これまでも甲子園大会から秋季大会のメンバー提出までの時間がなく、1回だけメンバー決定のセレクションマッチを行って決めるといったように、かなりバタバタとしていた。関東一も本来ならメンバーを決める時間はほとんどなかっただろう。夏の代表校の1次予選免除は当然のことといえる。

 また、2020年から夏の東西東京大会のベスト8のチームは、本大会に出場すればシードされていたが、今大会は、シード校制度は採用されない。そのため関東一と早稲田実が1回戦で対戦することも、可能性としてはある。

経験者少なくても新戦力浮上が期待できる関東一、経験者が多い早稲田実業は秋も期待!

 秋季都大会の出場が決まっている関東一と早稲田実であるが、まず関東一は、1年生の春から試合に出ている坂本 慎太郎外野手(2年)を中心としたチームになるだろう。坂本は投手としても外野手としても打者としても走者としても高いレベルにある。甲子園の決勝戦では最後の打者になったが、その悔しさも今後の成長の糧になるはずだ。この夏の甲子園で5割を超す打率を残した越後 駿祐内野手(2年)も攻撃の中心になる。この夏は一塁手として出場したが、昨年の秋季大会は背番号6で、もともと遊撃手だっただけに、どのポジションかも注目だ。この夏ベンチ入りしている石田 暖瀬外野手(2年)は、投手と外野手を兼任している。この3人を除けば総入れ替えとなるが、オコエ 瑠偉(現巨人)らを擁して準決勝に進出した時も、甲子園でベンチ入りした2年生は2人だけで、レギュラーは1人もいなかったが、その年の秋季都大会で優勝している。選手層が厚い関東一だけに、この秋どんな選手が登場するか期待したい。

 一方早稲田実は、宇野 真仁朗内野手(3年)らは抜けるものの、夏のメンバーがかなり残る。中でもエースの中村 心大投手(2年)が甲子園での好投で自信を持ったのは大きい。山中 晴翔捕手(2年)は今年に入って捕手になったばかりだが、捕手だった和泉 実監督もその成長を評価しており、バッテリーが残るのは心強い。川上 真投手(2年)と國光 翔内野手(2年)は野手と投手の二刀流か。三澤 由和外野手(2年)、灘本 塁外野手(2年)、金城 繋虎(1年)らが攻撃の中心になるだろう。この夏の大社戦で5人目の内野手として起用され注目された西村 悟志(1年)の活躍も期待したい。

秋の東京は左腕の逸材揃い/日大三、二松学舎大付など強豪校の新戦力は?

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