今季2位の日本ハムは若手選手の台頭が非常に大きい。

高卒6年目の水谷 瞬(石見智翠館出身)が大ブレイクを果たした。水谷は現役ドラフトで今シーズンから日本ハムに加入した外野手だが、現在はレギュラー格の主力としてチームを支えている。

セ・パ交流戦から本格的に一軍に加わった水谷は、そのセ・パ交流戦で打率.438(64-28)、3本、13打点、OPS1.159,得点圏打率.615の好成績でMVPを獲得。その後も主力として出場し続け、今季は95試合の出場で打率.290(321-93)、9本、39打点、OPS.787、得点圏打率.386と躍動は続いている。昨シーズン日本ハムに所属していなかっただけでなく、ソフトバンクでも入団から一軍出場がなかっただけにまさに彗星のごとく現れた存在だ。

水谷と同じく高卒6年目の田宮 裕涼(成田出身)も大ブレイクを果たした。昨シーズンまでの5年間でわずか31試合の出場だった田宮だが、今シーズンは序盤からスタメンでの起用が続きブレイク。序盤は首位打者争いを演じるなどオールスターゲームにも選ばれた。夏場以降に調子を落としている感はあるが、ここまで107試合の出場で打率.278(301-84)、3本、30打点、OPS.697、得点圏打率.325は捕手として十分な数字。シュアな打撃と”ゆあビーム”とも称される強肩で扇の要を支えてきた。

一方の投手では柳川 大晟(九州国際大付出身)が守護神に抜擢される飛躍を遂げた。5月に支配下登録された育成ドラフト出身の高卒3年目右腕は、5月20日に先発としてプロ初登板を果たすも3回3失点でプロ初黒星を喫した。その後、二軍でも調整期間を経て7月に再昇格すると今度は中継ぎとして打って変わった投球を見せ、8月に入ってからは守護神も務めるようになる。

その後、8試合連続無失点を記録し欠かせない存在となった。9月に入ってからやや打ち込まれるシーンは増えたものの、それでも1年前は育成契約だった右腕が8セーブをマーク。最終的には、防御率4点台となってしまったが、大ブレイクと言っても過言ではないだろう。

若い素材を着実に戦力に変えてきた新庄ファイターズ。この力を持って新庄政権初のクライマックスシリーズへと向かっていく。