<第155回九州地区高校野球大会鹿児島県予選:国分中央6-5れいめい>5日◇準々決勝◇平和リース球場

 れいめいは1回裏、3番・宮下 航樹主将(2年)、4番・碇山 和尚(2年)の連続三塁打、6番・井龍 健太(2年)の左前適時打で3点を先取した。

 3回まで無安打に抑えられていた国分中央だったが、4回表一死二塁からチーム初安打となる5番・豊田 悠馬(2年)の中越え二塁打で1点を返す。8番・川瀬 聖智(2年)の左前適時打で1点差とし、9番・濵邊 一護(2年)はスクイズ。これが悪送球を誘って二者生還し、4点を挙げて逆転に成功した。

 その裏、れいめいは9番・千年原 准大(1年)の犠飛で同点とすれば、直後の5回表、国分中央は5番・豊田の2打席連続となる右前適時打で勝ち越す。

 れいめいも5回裏に4番・碇山の右前適時打で同点。前半は拮抗した点の取り合いだった。

 7回表、国分中央は二死満塁から三塁へのけん制悪送球で再び勝ち越す。

 エース川瀬は6回以降も毎回走者を出し、14安打されたが追加点を許さず、国分中央が1点差で競り勝った。

 安打数はれいめい14に対して国分中央は5。3点を先取され、毎回のようにピンチが続いた国分中央だったが、最後まで粘り強く戦い抜き、1点差で4強入りを勝ち取った。決してスマートな勝ち方ではないが「自分たちにしかできない野球で勝てた」と力投のエース川瀬は胸を張った。

 「苦しい試合になるのは当たり前。スタンドで応援している部員も含めて全員のつなぐ気持ちを試合で出せた」と柳田 大志主将(2年)。れいめいのエース伊藤 大晟(2年)は140キロ台の直球を持つ県下屈指の好左腕だが、各打者が1球で多く投げさせるよう、盛んにバントの構えをして引くなど工夫を凝らし、5安打だったが163球を投げさせ、10四死球を選んだ。4回の4得点、7回の勝ち越し点、いずれも全員のつなぐ気持ちでもぎ取った。

 「ボールが走っていなかった」川瀬だが、バッテリーを組む稲田 煌志(2年)と配球に工夫を凝らし「芯を外す」投球が生命線となった。1球ごとに雄叫びを挙げ、気合の投球が川瀬の持ち味だが、少しでもコースが甘くなればれいめいの強打の餌食となる。それでもスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ、4種類の変化球を駆使しながら要所を締め、6回以降は追加点を許さなかった。

 「下村(幸太郎)先生、床次(隆志)先生から受け継ぐ国分中央の野球を、選手たちがしっかりやり切ってくれた」と4月から就任した安井 渉監督。「最大発声」「全力疾走」「真剣勝負」のスローガンと、「甲子園で勝つ」という目標は脈々と受け継がれている。「厳しい試合は当たり前。どこが相手でも自分たちの野球をやり切るだけ」と柳田主将は気負うことなく、九州大会出場がかかった準決勝への意気込みを語っていた。