下位指名組・育成選手から開幕投手、即戦力野手、トッププロスペクト投手が続出!

 5位の畔柳投手は3年春に選抜ベスト4入りに貢献しました。東海大相模との招待試合で、先発し、2回無失点、最速148キロの速球を投げ込んでいました。伸び上がるような球筋が光っていました。今季は一軍5試合に登板。二軍でも18試合中、10試合に先発して、防御率2.98と安定した実績を誇ります。

 6位の長谷川投手は現役ドラフトでソフトバンクに移籍し、32試合に登板し、防御率2.49の好成績を挙げました。移籍前も10.1回を投げて、1失点の好投をしており、下位ながら、着実に実績をあげています。

 7位の松浦投手は、1年冬に取材をしました。変化球をどう投げるのか、3年生までにどのレベルに達したいのかをしっかりと語っていたことを覚えています。3年夏に常時140キロ後半の速球を投げ込んで、着実に進化した姿を見せてくれました。高校の後輩・前田悠伍投手(ソフトバンク)にはないボールの圧力がありました。プロに進んで150キロ台の速球を投げ込み、ファームでは24試合登板で、39回を投げて、48奪三振、防御率1.85と申し分ない成績を残しています。一軍では5試合登板で、4回を投げて5奪三振を記録しています。どの試合でも150キロオーバー、140キロ台のフォークを投げ込んでおり、まさにトッププロスペクトへ成長しています。

 8位の北山投手は、ドラフト前に野球部側から提供してもらった投球練習を見て、かなり伸びのある速球を投げ込んでおり、これで8位なのか…と逆に驚きました。そんな北山投手の実力を目につけたのが新庄監督で一軍に昇格し、オープン戦で好投した結果、ルーキーながら開幕投手に抜擢されました。1年目は中継ぎ中心で55試合登板を果たし、今季は13試合に先発して、5勝をマークし、防御率2.31とルーキーだった防御率3.51に比べると成績も大きく改善してきました。ドラフト8位でこの成果はとんでもなく大きいです。

 9位の上川畑選手はドラフト後に行われた都市対抗で見ました。当時はコロナ禍の影響で都市対抗が11月下旬開催だったので、見ることができました。高い守備力に目を奪われ、当時の日本ハムは守備に課題がある選手が多かったので、貴重な選手になるだろうと見ていました。この3年間、即戦力としての活躍を見せ、今季は105試合で打率.251を記録し、課題だった打撃も伸びています。

9人全員が一軍を経験しており、大学・社会人組の3人が活躍し、高校生は将来有望な成績を残しており、ワクワク感があります。

 育成4人のうち福島投手、柳川投手が支配下登録されて活躍しています。福島投手は3年選抜に出場。190センチの長身で、ストレートのスピードは130キロ後半とまだありませんでしたが、フォームの良さが光っていました。ドラフト前にも動画を提供してもらい、角度のある速球が光っていました。高卒3年目の今年に支配下登録となり、12試合に登板し、2勝3敗、61回を投げました。

高校時代の柳川大晟高校時代の柳川大晟投手
 柳川投手は2年秋の時点で最速152キロを計測したと聞いて、春の九州大会で柳川投手を見られるチャンスがあったので大分まで遠征しました。多数の球団スカウトが集結しており、長身から繰り出される140キロ中盤の速球、カーブ、フォークをしっかりと操り、完投勝利を挙げました。この時点でドラフト上位候補の投手だと思いましたが、夏には不調に陥って、評価を下げて育成指名となりました。プロ入り後は、徐々に自分の能力を取り戻し今年は150キロ連発の剛腕へ成長。福島投手と同じく、支配下登録となり、今季は中継ぎを中心に21試合に登板しています。
 指名選手たちの成績を見ると、アマチュア時代をずっと見ているものからしても嬉しい成果です。
 同じ年でこれほど飛躍する選手が出ると、今季2位になったのもうなずけます。
 来季、日本ハムが優勝をするには大学・社会人組の3人が今年以上のパフォーマンスをすること。高卒組から一気に大ブレイクして、チームを押し上げる存在になることが王者・ソフトバンクを破る鍵になると思います。
 
 25年の日本ハムも楽しみです。