目次

[1]遂行できなかった3年スパンの育成計画
[2]12年ぶりVの裏には選手たちのハイペースな成長ぶり

12年ぶりVの裏には選手たちのハイペースな成長ぶり



12年ぶりに2年ぶりに春の県大会を制した愛工大名電

 東海大会への出場も叶わず、愛工大名電の短い秋が終わった。長い冬に入ると、安定した守備を手にするために、ノックの量を増やして選手たちの経験値を増やした。そしてバッティングに関しても投手への対応力を磨くように練習を重ねてきた。

 「秋が終わってからじっくりと選手もチームも見直しました。選手たちもハイペースで成長を遂げてくれました」と公式戦で経験を積めなかった分を練習量で補ってきた。

 そして冬場の期間ではひたすら選手個人のスキルを伸ばし続けてきた。倉野監督は「予想をしていた青写真通りのチームに仕上がってきた」と取材時はたしかな手ごたえを持っていた。その成果を見せた春季大会は、準々決勝で愛知私学4強の一角・東邦から勝利。勢いそのままに決勝へ勝ち進むと、タレント揃う享栄にも勝利を掴み、12年ぶりに春の県大会を制した。

 愛知1位として東海大会を戦いベスト4まで勝ち進んだ。1つの収穫を得たが、夏の大会まではまもなくと言ったところだ。主将の田村は「やはり何においても1番を目指さないといけないと思いますので、春の大会も夏の大会も1番を取って甲子園に行かないといけないと考えています。1番を取れるように頑張りたいと思います」と強い覚悟を示した。

 ただ愛知は選抜出場の中京大中京をはじめ、強豪ぞろいの激戦区。夏の甲子園出場は一筋縄ではいかない。それでも倉野監督は、愛工大名電に時代が来ることを予感している。

 「愛知私学4強の歴史には波があって、だいたい3年周期だと監督をやって23年間で感じています。だから、次は愛工大名電の番だと思って責任を感じながらチームを作っています。
 勝ち続けるのは難しいので、どこかで新しい勢力が出てきます。それが愛工大名電になれるように、中京大中京や東邦さんには追いつき追い越せと思ってやっていますが、手ごたえはあります」

 2019年の選抜では東邦。そして2020年の甲子園交流試合、今年の選抜では中京大中京が存在感を全国に示した。それに変わるのは愛工大名電だと知らせるには、甲子園球場が一番だ。春の県大会優勝はその序章にすぎないだろう。

 東海大会ではベスト4に終わったが、来る夏の愛知大会で愛工大名電の復活を全国に示すような躍進が見られることを期待したい。

(取材=編集部)