春は千葉学芸が創部初の優勝を決めるなど、今シーズンの戦国千葉はこれまでにない波乱の情勢となっているといっても過言ではない。夏の大会もどんな試合が繰り広げられるか2年分の想いをもって楽しみにしたいが、そのなかでも気にしておきたいのが千葉英和の存在だ。

 鮮やかな黄色のユニフォームが今シーズンから一転してスクールカラーの緑に変更。多くのファンに驚きを与えたが、昨秋の県大会では中央学院などの強豪を破ってベスト4。あと1勝で関東大会出場のところまで勝ち進んだことでも大きな話題となった。

最低限の決め事を作ったことがチーム成長を促進した


 選手たちに話を聞いても「秋ベスト4まで勝ち進むなんて想像もできませんでした」と戦っていた本人たちも、大躍進には驚きを感じていた。監督としてチームを指揮する仁井田監督も「県大会に出られるかどうかでした」と新チーム発足時は不安を抱えながらの船出だったことを明かす。

 「夏休みは8月1日から16日までしかない中で、3年生の独自大会への期間もあり、並行して新チームは準備を進めていました。大変な時期でしたが、色んなことに手を出しても時間が足りなかったので、夏休みの前半は徹底して基本となるプレーの確認に時間を費やしてきました」

基本の確認といっても、ひたすらノックやバッティングをだけするのではなく、仁井田監督は実戦練習にも力を入れた。「生きたボールを打つ、捌くなかで成長をしてほしかった」という意図を持ち、少ない練習時間を最大限有効活用。夏休みの後半から練習試合を敢行。10チーム以上と試合を組んで、秋の大会に向けて一気にチームの仕上げに突入した。

 ただ戦い方を含め、仁井田監督は今年のチームの形を見出すのに苦労をしていた。

 「手探り状態でした。どのポジションに誰がベストなのか。どの打順に誰を置くことが一番良いのか。先発投手の起用など、とにかく試験的にオーダーを考えながら戦っていましたね。そうすると、後半から打線のつながりが出てきたので、『この形なら大会もいけるかな』というイメージが湧いてきたんです」

 主力の志村 眞斗も「徐々にチームとして仕上げることが出来ていたと思います」と成長には手ごたえを感じていた。ただ、チームの成長を促進させたのは2つの要素が大きく関わっている。

 1つは最低限の決め事を作ること。チームをまとめる梶尾 風真から「チーム全体に統一感がなかった」という話が出てきたが、柱となるような徹底事項が作れずにスタートしていた。そこで仁井田監督が作った徹底事項が、得点圏を作ることだった。

 「練習試合では得点圏を作ることが課題になっていたんです。それが夏休みの終わりになり始めると、徐々に作れるようになってきたんです。そこでタイムリーが出るかは別問題ですが、大会までの短い時間で難しいところまで選手にやらせるのは難しいと思っていたので、最低でも得点圏を作ることを徹底しようと決めました」

 バントや進塁打と言った1つでも先の塁へ進めるための攻撃をする。千葉英和は打力を武器に秋は勝ち抜いたが、その裏側には得点圏を演出するチーム方針が明確化されていたことが関係していた。