目次

[1]主力のほとんどが中学時代は「控え」
[2]3年生の「諦めない姿」が可能性広げた


 今年の都立校の中でNo.1の実績を誇るのが、都立狛江だ。この夏は西東京ベスト8、秋も都8強入りを果たし、都立随一の快進撃を見せた。この成績で21世紀枠の都推薦校に初選出され、センバツ大会出場の可能性を残している。

 同校を率いる西村 昌弘監督は都立狛江の選手、環境については「良くも悪くも普通の都立校」と語る。スポーツ推薦がある強豪私学と比べると決して恵まれた環境とはいえない中で、いかにして好成績を収めることができたのか。

主力のほとんどが中学時代は「控え」



 野球部は校舎敷地内の他部活との共用グラウンドで汗を流している。練習は平日3日、土日は主に対外試合を組んでいる。平日の練習試合は2時間以内と決まっており、練習メニューは事前にLINEで共有され、取材日も「15:58から17:51まで」と分単位でスケジュールが組まれていた。

 そのためグラウンド内の目立つ位置にはタイマーが設置されており、全体練習は大会を想定して、攻守交代のスピード感を意識しながら練習しているという。また、「音楽提供」の役割もあり、プロ野球のキャンプのように練習中にBGMを流し、士気を保ちながら、量を質で補うため、普段の練習から「意識」の部分を大切にしている。

 そんな都立狛江に入部してくる選手はどんな選手が多いのだろうか。西村監督は「ほとんどが軟式出身者です。また中学校時代に大会で活躍したとか、戦績がある選手はほとんどいません」という。前チームから投打の柱として活躍したエースの山崎 優投手(2年)や期待の1年生・杉本 裕世内野手など、今チームの主軸の選手も中学時代は「控え」で公式戦の経験がほとんどない選手だった。

 エースで4番の山崎は中学時代、調布シニアでプレー。それでも「すごい選手ばかりで、自分じゃ全然敵わなかったです」と中学3年生の頃は公式戦にほとんど出場しない控え投手だった。杉本も中学時代、武蔵府中シニアでプレーも「全然下の方でした」とレギュラーではなかった。それでも、山崎は今夏から本格的に主戦で登板し、秋も都8強牽引で東京都屈指の右腕に成長。杉本も1年夏から試合に出場し今チームも主軸として活躍している。

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