目次

[1]「野球王国復権」の第一歩を歩みだした2021年・四国地区
[2]困難の中でも幅広く、練り、出して、勝ち抜く「2022四国スタンダード」確立へ

 侍ジャパントップチーム・悲願の東京五輪金メダル奪取達成を筆頭に、NPBではヤクルトの6年ぶりセ・リーグ制覇と20年ぶり日本一、オリックスが25年ぶりパ・リーグ制覇を果たした。社会人では夏の社会人日本選手権は2大会連続で大阪ガス、冬の都市対抗は東京ガスが初優勝した。また、大学では春の全日本大学野球選手権で34年ぶりに慶應義塾大、明治神宮大会は中央学院大が初優勝を遂げた。高校ではセンバツは東海大相模(神奈川)、夏は智辯和歌山(和歌山)、明治神宮大会は大阪桐蔭(大阪)が初制覇。そして史上初の甲子園決勝となった第25回全国高等学校女子野球選手権では神戸弘陵(兵庫)が5年ぶり2度目の歓喜……。

 そんな彼ら、彼女たちを含む数々のチャンピオンチームを生み出した2021年が過ぎ去り、令和4年・2022年を迎えた日本球界。四国地区球界も新たな時代に入ろうとしている。そこで今回は「四国地区ベースボール」の2021年を振り返りつつ、2022年を占ってみたい。

「野球王国復権」の第一歩を歩みだした2021年・四国地区


 昨年の四国地区の2021年の振り返りで、総じて言えるのは「野球王国復権への第一歩」となる奮闘が目立った。

 特に夏の甲子園では、4県代表校中、新田(愛媛)、高松商(香川)、明徳義塾(高知)の3校が初戦を突破。その対戦相手も新田静岡(静岡)、高松商作新学院(栃木)、明徳義塾県立岐阜商(岐阜)と、いずれも難敵だったところも高く評価できる。

 高松商は3回戦で優勝した智辯和歌山(和歌山)に敗れたものの3対5の接戦を演じ、明徳義塾は2回戦ではソフトバンクに1位指名された名桜(秋田)のエース・風間 球打投手を攻略した。明徳義塾は3回戦でも左腕・代木 大和投手が松商学園(長野)を完封し、準々決勝でも智辯学園(奈良)を相手に2年生変則左腕・吉村 優聖歩が好投した。最後は逆転サヨナラで力尽きたが、「守備をベースに相手の小さい穴を突いて広げたチャンスを生かす」彼らのスタイルを存分に発揮した。

 ドラフトでも四国地区関連の選手らが指名を受けた。高校生では阪神1位で高知森木 大智投手、巨人6位で代木。ソフトバンク育成5位で帝京第五(愛媛)の田中 怜利 ハモンドの3人投手が指名を受け、大学生でも四国学院大・富田 龍投手(香川・志度)が巨人育成8位。社会人からはJR四国・水野 達稀内野手(香川・丸亀城西)が日本ハムから3位指名。四国アイランドリーグplusからは西武から徳島インディゴソックス・古市 尊捕手(香川・高松南)、DeNAから村川 凪外野手(如水館ー四日市大)が、楽天から宮森 智志投手(呉商ー流通経済大)の3人がいずれも育成1位で指名を受けた。鳴門渦潮(徳島)出身の野口 智哉内野手(関西大)がオリックス2位、藤井学園寒川(香川)出身の野村 勇内野手(拓殖大ーNTT西日本)がソフトバンク4位、高松商(香川)出身の末包 昇大外野手(東洋大ー大阪ガス)が広島6位と、計11人が四国の地からプロに羽ばたいたことも特筆すべき出来事だった。

 また、見逃せないのは女子・中学年代の躍進である。高知中央高校女子硬式野球部は創部3年目にして女子野球初となる甲子園での決勝の舞台へ進んだ。中学ヤングリーグでは高松庵治ヤングストーンズが「2021年 アルインコカップ争奪 第9回ヤングリーグジュニア選手権大会」、ヤング阿南シティーホープが12月の「2021グランドチャンピオン大会」を制覇した。

 一方、四国地区出身NPB選手でも、本塁打王に輝きオリックスのパ・リーグ制覇の大きな原動力となった杉本 裕太郎外野手(徳島商ー青山学院大ーJR西日本)、2年連続10勝以上をマークした阪神・秋山 拓巳投手(西条)の「1991年度組」や、済美高(愛媛)卒、プロ入り6年目にして3勝2セーブ22ホールドをマークし、楽天での「勝利の方程式」に定着した安樂 智大投手。5勝17ホールド、2年連続で22ホールドポイントをたたき出した広島の左腕・塹江 敦哉投手(高松北)、後半戦は西武のレギュラーを完全に獲得した岸 潤一郎外野手(明徳義塾ー拓殖大中退ー徳島インディゴソックス)といった「1996年度組」を中心に、数多くの選手が後輩たちに「進むべき背中」を見せてくれたことも嬉しいニュースだった。