<秋季東京都大会:世田谷学園10―2拓大一>6日◇1回戦◇コトブキヤスタジアム立川市営球場
世田谷学園は夏は練馬工科、小平南を下したものの、4回戦で國學院久我山に大敗した。ただ、中心となるメンバーに2年生が多かったということもあって、新チームには比較的スムーズに移行できたようだった。成瀬智監督も、「10何年かぶりに、いい感じで新チームをスタートさせられたような気がする」という好感触を得ている。
拓大一は夏の西東京大会では5回戦で優勝候補の一角だった第1シードの東海大菅生に10対9と競り勝つなどしてのベスト8進出。そのチームでも1番をつけていた岡部蓮投手(2年)が残っているだけに、松井貴寛監督としても、この秋への期待は大きい。
そんな都内中堅私学校同士の対戦である。新チームの秋季大会、一次ブロック予選で世田谷学園は麻布、自由ケ丘学園にいずれも10対0とコールド勝ちしての本大会出場だ。拓大一は中大付に13対1、目黒日大とは接戦となったが5対3で退けて本大会出場となっている。
2回にともに2点を奪い合う。世田谷学園は先発で8番に入っていた成瀬哉柔投手(2年)が一死二三塁から左越二塁打して2人を還す。しかしその裏、拓大一も一死で5番吉田晃太郎選手(2年)の二塁打から好機を作り、相手失策も絡み、さらには8番の永倉一騎選手(2年)の左前打で同点とした。
同点となったが3回、世田谷学園はさらに攻撃し続けて、先頭の網野翔琉選手(2年)の二塁打から好機を作り、北村琥太郎選手(2年)のタイムリー打で再びリードすると、四球に暴投に犠飛などもあって得点を追加し、この回3点。これで世田谷学園の流れとなる。
さらに世田谷学園は6回にスクイズで加点。そして7回には、2番手として踏ん張っていた拓大一の井上蒼士投手(2年)を捕まえて、3連打を含む4本の安打と犠飛に暴投もあって4点を追加して大きくリードした。
このリードを3回からリリーフしていた杉本倫之介投手(2年)がしっかりと守り切った。杉本投手は5イニングを投げて拓大一打線を無安打無失点に抑えた。背番号は10だが、成瀬監督は「実質はエースなんですよ。安定しているので、安心して試合を任せられる」と信頼も高い。そして、このチームに関しては、「中軸がまだもう一つだったけれども、もっと打てる」と、いい手ごたえを感じている。「令和になってからは、私も怒るのを辞めましたから、選手も伸び伸びとやっているんじゃないのかな。プレーなどでよくないことがあったら、怒るのは部長とコーチに任せてあります」と、苦笑しながらも、ニュースタイルの指導もいい感触を得ているようだ。