ソフトバンクの育成・佐藤 宏樹投手(大館鳳鳴-慶応大)が戦力外となった。大館鳳鳴時代は最速142キロを誇る速球派左腕として注目を浴び、慶応大のAO入試合格のために、秋田から東京に通って、7〜8時間の面接練習を行い、見事に合格し、野球部に入部する。1年秋には26.1回を投げて、42奪三振、防御率1.03を記録し、リーグ優勝に貢献した。140キロ後半の速球は回転数が驚異の2600回転と伸び上がるような球質が持ち味だった。

 20年のスタートでは、木澤 尚文投手(ヤクルト)、関根 智輝投手(ENEOS)、瀬戸西 純内野手(ENEOS)とともに慶応ドラフト4人衆として注目され、JR東日本時代に田嶋 大樹投手(オリックス)を見てきた堀井哲也監督は「田嶋のような切れのあるストレートを投げるのとは対象的に佐藤は威力のあるストレートを投げる印象があります」と評価していた。

 しかし、肘の状態が良くなく、ドラフト直前にトミー・ジョン手術を行った。それでもソフトバンクは佐藤の素質の高さを評価し、20年のドラフトでは育成1位指名を受けた。今季は二軍戦で3試合に登板して10.1回を投げて、8奪三振、防御率1.74、三軍、四軍では11試合に登板して、37.2回を投げて、31奪三振、防御率1.91だった。