社会人には行くべきではない

 ただ春の打率.269、秋の打率.243(10月10日現在)は物足りない。

 低めの変化球、内角低めの強いボールへの対応力が低い。基本的に直球に強いのだが、打ち損じも多い。また好投手が多い明治大との3試合では、12打数1安打に終わった。140キロ台後半の速球、130キロ台の高速変化球を投げる投手になると、途端に打てなくなってしまうのだ。

 そう考えると、清原の実力的には育成枠が現実的だ。もちろん育成を回避し、社会人を経由して2年後に高順位を狙うという手もある。しかし社会人を狙うのはオススメできない。

 まず、近年、社会人選手のドラフト指名のハードルは上がっている。一昨年のドラフトでは15人、昨年のドラフトでは14人しか指名されなかった。

 また、清原は社会人でも即戦力で活躍できるタイプではない。大器晩成、育成タイプの選手だ。わずか2年で社会人で結果を出せるイメージはなかなか浮かばない。

 ちなみに2年前、ドラフト指名漏れだった選手に、立教大の山田 健太内野手(大阪桐蔭)がいた。山田は日本生命に進んだが、ドラフト解禁の今年は51打数9安打、打率.176と結果を残せておらず、報道でも、なかなか指名候補として名前が挙がってきていない。清原よりも実績のあった山田ですら、社会人のレベルでは活躍できなかった。粗削りな清原は社会人で試合出場機会がもらえるのかも心配だ。

  一方で清原は育成枠としてならばかなり魅力的な選手だ。186センチ90キロと体格も素晴らしく、脚力はそれなりのものがあり、常に全力プレーをしている。野球に向き合う姿勢の良さはスカウトの心を捉えると思う。

 また、バックスクリーン横へ飛び込む豪快な本塁打を打つパワーもある。ファームや、アマチュアとの交流試合でじっくりと打席経験を重ねながら“本物”にしていきたい打者だ。

オススメの3球団

 では実際、ドラフトで指名があるならばどの球団になるだろうか。

 ドラフト会議では、どの球団もまず即戦力投手、即戦力スラッガー、センターライン、将来有望な高校生を指名する。その後で清原を指名するかの検証に入るはずだ。

 本指名ならば、70人の支配下選手枠に余裕のある球団だろう。10人の退団が決まったオリックスの支配下選手は60人。ドラフト以外の補強があったとしても指名する余裕はある。また、楽天が61人、父も在籍した西武も61人。このあたりが現実的だろう。

 前述のとおり、清原に必要なのは実戦経験だ。そう考えると、二軍戦だけでなく独立リーグなどとの交流戦も多い巨人、ソフトバンクが最適だろう。三軍制を敷くオリックスも魅力的だ。育成枠で巨人、ソフトバンク、オリックスに入り、数年間しっかり経験を積む――。この可能性が最も高い。

 はたして清原のもとに吉報が届くのか、注目だ。