決勝でサイクルヒットを記録した横浜高捕手、打撃が覚醒した遊撃手など夏で評価を上げた選手たち

椎木 卿五(横浜:決勝敗退)
神奈川大会成績:26打数14安打2本塁打9打点 打率.538 アピール度:A

 惜しくも2年連続で準優勝に終わったものの、椎木 卿五(横浜)捕手が打撃面で急成長した。決勝戦の東海大相模戦ではサイクルヒット。右打者ながら、ライトスタンドへ飛び込む本塁打は高い技術がなければ打てなかった。140キロ超えの投手に対しても振り遅れることなく、広角に打ち分ける打撃技術は秀逸。今年は春季大会準々決勝の慶應義塾戦で先制本塁打を打つなど、大事な試合になるほど打てる勝負強さも光る。

 経験に裏打ちされたリード、140キロ台の速球、切れのある変化球を難なくキャッチングできる捕球技術も高校生としてはレベルが高い。ただ、突出した強肩ではないので、どうやって技術でカバーできるのかが今後の課題か。打率.538、2本塁打、9打点と「強打の捕手」としてはこれ以上ないアピールができた。


龍山 暖捕手(エナジック:決勝敗退)
沖縄大会成績:16打数6安打5打点 打率.375 アピール度:A

 今年では数少ない強肩強打の捕手・龍山 暖(エナジック)は、チームを創部初の決勝に導く活躍を見せた。持ち味は二塁送球1.8秒台を計測するスローイング。伸び上がるような送球は高い評価を受けている。打者としても腕っぷしの強さを生かしたスイングで、16打数6安打を記録し、鋭い打球を見せた。相対的に見てもこのポジションでプロ志望のドラフト候補は少なく、決勝まで導いた総合力も評価されているのではないか。


颯佐 心汰内野手(中央学院:準々決勝敗退)
千葉大会成績:17打数8安打2本塁打8打点 打率.471 アピール度:A

 春季大会まで最大の課題としていた「打撃」が大きく伸びた大会だった。3回戦の千葉敬愛戦では広いZOZOマリンスタジアムで豪快な本塁打を放ち、これまでの印象を一変させた。やや払いのけるような独特なスイング軌道をしていて、評価が分かれそうだが、どの打ち方でもレベルの高い投手を打てて、いつでも結果を残せれば問題はない。守備、走塁は高いレベルにあり、ショートの守備力を高く評価する球団もありそうだ。この夏で序列は大きく上がったに違いない。


谷村 剛内野手(和歌山東:準決勝敗退)
和歌山大会成績:14打数7安打1本塁打7打点 打率.500 アピール度:A

 春季大会から早くもプロ志望を表明していた左の強打者。夏で活躍し、打率.500を記録し、アピールに成功した。癖がなく、懐が深い構えから、広角に鋭い打球が打てる打撃技術、スイングスピードの速さは一級品だ。


モイセエフ・ニキータ外野手(豊川:5回戦敗退)
愛知大会成績:7打数3安打5打点 打率.429 アピール度:A

 夏前の練習では木製バットで本塁打量産し、成長を見せていたモイセエフ・ニキータ外野手(豊川)。プロ球団幹部が駆けつける中で、打率.429を記録。長打となった打球は実に鋭く、ポテンシャルの高さをアピールできた。勝負を避けられ、3試合で5四死球で出塁率.667だった。チームは5回戦敗退に終わり、真価を発揮せずに終わってしまったが、実力はアピールできた。

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