<2024年関西六大学野球秋季リーグ戦:大阪経済大9-2大阪商業大>11日◇第7節1回戦◇マイネットスタジアム皇子山

 大阪経済大が5連覇中の大阪商業大に快勝。17年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。

 プロ志望届を提出済みの柴﨑 聖人(4年=岐阜第一)は5打数3安打3打点、林 翔大(4年=乙訓)は6回1失点でそれぞれ勝利に貢献。重要な一戦で力を発揮した。

 3番右翼でスタメン出場した柴﨑は1回表、一死二塁と先制の好機で最初の打席を迎える。「会心と言える打球ではなかったですけど、三振が嫌だったので、必死でつなぐ気持ちでいった結果が良かったと思います」とフルカウントから甘く入った変化球を捉え、ライト線へ適時二塁打でチームに先制点をもたらした。

 さらに2対1と1点リードで迎えた3回表の第2打席では無死一、二塁から高めのボールを弾き返す右前安打を放ち、1点を追加。大阪経済大はこれをきっかけに打線がつながり、この回だけで4点を奪うことに成功した。

 8対2とリードして迎えた7回表の第5打席では二死一、三塁から詰まりながらも遊撃手と左翼手の間に落ちる適時打を放ち、ダメ押し点を奪った。

 柴﨑はここまでの11試合で打率.432、2本塁打15打点の好成績を収めている。その秘訣が高代 延博監督の勧めで、今季のリーグ戦前からノーステップ打法に変えたことだ。

「体が安定するのがメリットかなと思います。そのおかげで打ち損じのファウルもかなり減っているのは自分でもわかります」とノーステップ打法の効果について語る柴﨑。その中でも本塁打を含めて長打が出ており、打撃改良が吉と出ている。

 ベンチスタートとなった林は6対1と5点リードの3回裏から登板。代わり端に二死一、二塁から同じくドラフト候補の渡部 聖弥(4年=広陵)に適時二塁打を打たれて1点を失ったが、4回以降はスコアボードに0を並べ続けた。

「あまり調子が良くない中でも変化球を上手く使いながら投げられたので、そこは良かったと思います」と自らの投球を振り返った林。チェンジアップやフォークといった落ちる球で空振りを取る場面も目立ち、5つの三振を奪った。

 今季無傷の7勝目を飾った林は昨年の大阪商業大・上田 大河(現西武)以来、通算26人目となる通算20勝を達成。「入ってきた当初から目標にしていたことなので、達成して嬉しく思います」と話した。

 だが、これで満足はしていない。1年前の苦い経験があるからだ。

 昨秋も今秋と同じく大阪商業大と大阪経済大の最終節で勝ち点を取った方が優勝という状況で、1回戦は津田 淳哉(現阪神)が8回2失点と好投して先勝。しかし、2回戦で先発した林が5回4失点と打ち込まれて敗れ、3回戦も敗戦して優勝を逃してしまっている。

「次は絶対に勝って優勝したい気持ちが強いです。勝つまで投げます」と残り2戦でフル回転を誓った林。これまでの悔しさを晴らす秋になるか。


3安打3打点の活躍を見せた大阪経済大の柴﨑 聖人