背番号7を背負った松山北の「1番・レフト」が躍動した。
その選手の名は河原 翔外野手(2年)。守備面では課題も多いが、173センチ64キロとアスリート系の体格から「自分の武器は足」と自負する50メートル走6秒1、一塁駆け抜け3秒9台、ドラックバント駆け抜け3秒6台の俊足は四国内ではトップクラスだ。旧チームでは2番打者として活躍、小柄な俊足リードオフマン門屋 蒼内野手(3年)が退いた後は1番打者を務めるようになった。
迎えた秋季愛媛県大会初戦。伊予との予選1回戦では、「かなり緊張した」中にあっても河原は3打数1安打2四球3得点と「出塁して得点に絡む」自分のミッションを達成しつつ9対4の快勝に貢献した。
中でも松山リトルシニア時代にコーチから走塁技術を伝授され、この試合でもタイム3秒2台で走り抜けた2盗塁のシーンは、加速からベースに近いスライディングまで高校生離れしたものだった。
松山北の次戦は強豪・今治西。県大会出場をかけた一戦に向けてリードオフマンの重要性はますます増しそうだ。もちろん当人も「僕が出塁してチームを勇気付けたい」と意気込みは十分。将来の夢については「理学療法士とかを考えているが、まだはっきり描けていません」と正直に明かしたが、ここでの活躍次第では金子 侑司のような真のスピードスターへの道を駆け上がりそうである。