2024年のドラフト会議まであと2週間を切った。今年も多くのスター候補生たちが、この会議で指名を受けることだろう。
ドラフト会議の成果は1年でわかるものではなく、5年から10年かかってやっと答えがでてくるものだ。では今から5年前(2019年)のドラフト会議で指名を受けた選手たちは、2024年シーズン現在で戦力となっているのだろうか。球団ごとに振り返ってみたい。
この年の中日は1位で石川 昂弥(東邦出身)の当たりくじを引き将来の大砲候補を迎え入れた。ルーキーイヤーから14試合に出場するも本塁打は0。2年目は一軍出場がなかった石川だが、3年目の2022年に37試合に出場しプロ初本塁打を放つなど、結果を残し始める。昨年は初めて規定打席に到達し13本塁打を放った。今年は82試合の出場で打率は昨年の2割4分2厘から2割7分2厘へ上昇した。また、4本塁打と一発は減っているものの、確実性が上がり、一歩ずつレベルアップしている。細川 成也(明秀日立出身)とともにチームを背負う右のスラッガーとして期待がかかっている。
2位では大卒左腕の橋本 侑樹(大垣日大出身)、3位で岡野 祐一郎(聖光学院出身)と即戦力クラスの投手をそれぞれ獲得。橋本は主に中継ぎとして起用され、今年はキャリアハイの47試合に登板。防御率1.73と結果を残している。一方の岡野は1年目に11試合(9先発)の登板で2勝を挙げるも、以降は低迷。昨年のオフに戦力外通告を受けた。
4位の郡司 裕也(仙台育英出身)は昨年の途中に宇佐見 真吾(市柏出身)らとの日本ハムへ交換トレードで移籍。中日時代はレギュラーに定着できなかったが、日本ハムで開花。今年は自身初となる規定打席に到達した。
5位の岡林 勇希(菰野出身)と6位の竹内 龍臣(札幌創成出身)は明暗が分かれた。岡林は3年目の2022年に一軍に定着すると最多安打のタイトルを獲得。ベストナイン、ゴールデングラブ賞も2年連続で受賞しており、リーグを代表する外野手となりつつある。今年は序盤から調子が上がらなかったものの、8月、9月ともに月間打率が3割を超えており、3年連続で規定打席到達に到達した。一方、竹内は右ひじの故障もあり一軍登板なく戦力外通告を受けた。
育成ドラフトで唯一の指名となった松田 亘哲(江南出身)は支配下登録されることなく戦力外通告を受けた。
2019年のドラフト指名選手から高卒野手の石川と岡林がチームの柱となりつつあり、橋本も中継ぎ左腕として一軍の戦力になっている。現時点では順調といって差し支えなさそうだ。
<2019年ドラフト会議で中日が指名した選手>
1位:石川 昂弥(東邦高)
2位:橋本 侑樹(大垣日大高→大阪商業大)
3位:岡野 祐一郎(聖光学院高→青山学院大→東芝)※2023年に戦力外通告
4位:郡司 裕也(仙台育英高→慶応大)※2024年は日本ハム所属
5位:岡林 勇希(菰野高)
6位:竹内 龍臣(札幌創成高)※2024年に戦力外通告
育1位:松田 亘哲(江南高→名古屋大)※2023年に戦力外通告