内野手、外野手は充実、捕手獲得の1年になるか

 続いて野手の陣容を見ていこう。内野手は近年飽和気味。高卒1年目の百﨑 蒼生内野手(東海大熊本星翔)、山田 脩也内野手(仙台育英)もしっかりファームで出場機会を積んでおり、今年の上位指名の可能性は薄いだろう。

 外野手も井上 広大外野手(履正社)の一軍初本塁打が飛び出し、スタメンをつかめるレベルになってきており、高卒2年目の井坪 陽生外野手(関東第一)も伸びてきている。選手層は十分に厚い。

 捕手はCSまで坂本 誠志郎捕手(履正社-明治大)、梅野 隆太郎捕手(福岡工大城東-福岡大)の2人体制でやってきたが、来年は入れ替わりがありそうだ。坂本は安心感はあるが、打撃が弱いので、1年間スタメンを使うには物足りない。梅野はリードミスはあってもそれをカバーするほどの勝負強さがあったが、今季は0本塁打に終わった。CSでの内容を見ると、起用の優先順位は下がったように思われる。

 来季は二軍でじっくりと育ててきた中川 勇斗捕手(京都国際)にスイッチする年となるか。中川は二軍70試合で4本塁打、28打点、打率.321と好成績を残してきた。坂本・梅野と競わせる形になるだろう。ただ一方で、中川がそこまで伸びなかった場合を考えて、社会人捕手の指名はあるだろう。守備を重視するならば、日本生命・石伊 雄太(近大高専-近畿大工学部)、打撃を重視するのならば、NTT東日本・野口 泰司(栄徳-名城大)の両捕手がいる。高校生からじっくり育てるとなれば、センバツ優勝に貢献した箱山 遥人(健大高崎)なども候補に挙がる。


名城大時代の野口泰司(現NTT東日本)、石伊雄太(日本生命)、箱山遥人(健大高崎)

 阪神は次世代へ向けて各ポジションをバランスよく指名してきた。今年はこのような指名プランになるのではないか。

1位 金丸 or 社会人左腕
2位 社会人左腕など即戦力投手
3位以降 速球派右腕、社会人捕手、高校生捕手など

 勤続疲労が見える投手陣をカバーする指名が中心となるだろう。それをクリアしたうえで、野手の中で比較的弱い捕手を指名して、さらに戦力を盤石にしたいところだ。

【阪神の今季成績】

143試合 74勝63敗6分 2位
支配下人数 60人