クライマックスシリーズ(CS)もファーストステージが終了し、ドラフト会議まで1週間ほどとなった。今年も多くのスター候補生たちが、この会議で指名を受けることだろう。

 ドラフト会議の成果は1年でわかるものではなく、5年から10年かかってやっと答えがでてくるものだ。では今から5年前(2019年)のドラフト会議で指名を受けた選手たちは、2024年シーズン現在で戦力となっているのだろうか。球団ごとに振り返ってみたい。

 4年ぶりにセ・リーグを制した巨人は5年前のドラフトで指名した投手の1人が大きな原動力となった。4位の井上 温大(前橋商)だ。井上は2年目に左肘の手術を受けたことで育成契約も経験した左腕。3年目の7月に支配下復帰を果たすと一軍デビュー。同年にプロ初勝利もマークしたが、昨年は4試合に登板するも未勝利にとどまり飛躍はできず。

 しかし今年は25試合(15先発)に登板。キャリアハイとなる8勝(5敗)を挙げ、投球回数も自己最多の101回。防御率も2.76と安定した成績を残している。優勝争いの佳境でもある9月に入ってからも先発で起用されており、ポストシーズンででも先発のチャンスはありそうだ。

 1位の堀田 賢慎(青森山田出身)は入団後にトミー・ジョン手術を受けた。3年目に一軍デビューし2勝を挙げるもその後は低迷。しかし今年は16試合(7先発)の登板で3勝3敗、防御率2.47とまずまずの数字。一時、下がっていた球速も戻りつつあるのは明るい材料だ。

 井上と堀田以外の選手はかなり苦しんでいる。2位の太田 龍(れいめい出身/JR東日本)と6位の伊藤 海斗(酒田南)はすでに戦力外通告を受け、チームを去った。3位の菊田 拡和(常総学院出身)も一軍出場は昨年の6試合のみ。今年は一軍での出場機会はなく、戦力外通告が決まった。

 5位の山瀬 慎之助(星稜出身)は捕手という難しいポジションということもあり、通算14試合の一軍出場にとどまっている。今年も二軍では96試合に出場と期待をかけられている存在だけに、今後の飛躍に期待がかかっている。

 育成ドラフトで指名を受けた2選手もすでに戦力外通告を受けている。

 井上が先発ローテーションに定着し、堀田が結果を残しつつあるのは確かだが、確固たる主力となるかは来年以降の結果を見てとなりそうだ。

<2019年ドラフト会議で巨人が指名した選手>

1位:堀田 賢慎(青森山田

2位:太田 龍(れいめい→JR東日本)※2023年に戦力外通告

3位:菊田 拡和(常総学院)※2024年に戦力外通告

4位:井上 温大(前橋商

5位:山瀬 慎之助(星稜

6位:伊藤 海斗(酒田南)※2022年に戦力外通告

育1位:平間 隼人(鳴門渦潮→徳島インディゴソックス)※2022年に戦力外通告

育2位:加藤 壮太(中京→埼玉武蔵ヒートベアーズ)※2021年に戦力外通告