今季3位のロッテ。2020年以降、Bクラスは1回で、安定した戦いを見せている。吉井理人監督の緻密な投手運用により、ベテラン、中堅、若手の投手陣が伸びている。しかし、優勝まであと一歩及ばない。優勝に近づくにはどんなドラフトをすればいいのか。
宗山塁はすぐにレギュラーになれる実力がある
物足りなさを感じるのは野手だろう。チーム打率.248、75本塁打はともにリーグ3位なのだが、突き抜けたものがない。そのあたりが1位のソフトバンク、2位の日本ハムに及ばなかったところだろう。
ロッテはこれまで球団の顔となりうる高校生野手をドラフト1位指名してきた。2015年に平沢 大河内野手(仙台育英)、17年は安田 尚憲内野手(履正社)、18年は藤原 恭大外野手(大阪桐蔭)である。彼らは当時、高校生を代表するスラッガーであり、狙いは悪くなかった。ただ結果として大ブレイクはできておらず、スケールの大きな野手陣の形成には至っていない。生え抜きからタイトルを狙える野手を育てることが至上命題だ。
試合を見ていると、弱いと感じるのは内野手だ。今年はベテラン・中村 奨吾内野手(天理-早稲田大)を三塁にコンバートしたが動きは芳しくない。
大卒2年目の友杉 篤輝内野手(立正大淞南高-天理大)はショートとして固定され、守備面は良いが、打率.206、OPS.474。天理大時代から打撃面はかなり苦しかったが、予想通り苦しんでいる。二塁・藤岡 裕大内野手(岡山理大付-亜細亜大-トヨタ自動車)がいるが、
この3人を脅かす選手の指名が必要だ。
特にショートの友杉については、守備力を高く評価するべきだが、打撃面は今のままだと上がり目を感じないので、固定せず、打てる遊撃手を獲得し、攻撃力を上げるべきだと思う。1位は競合確実だが、明治大・宗山 塁内野手(広陵)がオススメだ。年間通して100安打以上は期待でき、直近のロッテ内野手陣の打撃成績は超えていきそうだ。1年目苦しんだとしても、2年目以降はリーグ上位の打撃成績を残せるだろう。
昨年は1位で明治大の先輩・上田 希由翔内野手(愛産大三河)を指名した。一軍出場こそ21試合にとどまったが二軍では70試合で打率.291の好成績を残した。上田のプレーを見ると、集中力の高さが違う。宗山もその1人になるだろう。
もし宗山を外したとしても1位は一貫して野手を狙いたい。高校生NO.1スラッガーの石塚 裕惺内野手(花咲徳栄)は将来のサード候補として面白い。好投手に対する対応力、走塁意識の高さなど、プレーに対する集中力の高さも光る。将来的には打率3割、10本〜20本以上、10盗塁以上は狙えそうな選手だ。