野手の有望株も確実に獲りたい

 中日のドラフトで気になるのは、同じポジションの選手を同時に獲得すること。2021年は上武大・ブライト 健太外野手(葛飾野)、駒澤大・鵜飼 航丞外野手(中京大中京)の大学生外野手コンビを1位、2位で指名した。昨年のドラフトでも2位で三菱重工East・津田 啓史内野手(横浜)、3位で仙台大の辻本 倫太郎内野手(北海)と2人のショートを獲得している。こうした偏りによって投手が少なくなり、一部の投手に負担がかかる形となっている。

 上述の通り、今年は投手偏重のドラフトになるだろうが、ブレイク候補の野手も必ず確保しておきたい。地元・愛知のモイセエフ・ニキータ外野手(豊川)がおすすめだ。高校通算18本塁打だが、数字以上に打球の力強さを感じる。木製バットでも本塁打を量産するほどのフィジカルの強さ、打撃技術の高さがあり、選球眼も兼ね備えている。外野守備に対する意識も高く、シーズン通してウエイトトレーニングで体を作っており、ストイックな一面もある。岡林 勇希外野手(菰野)らの高校時代と比べても格段に高いレベルにある。近未来の主軸になれる逸材だ。

 3年連続の最下位から上位進出はなかなか簡単にはいかないだろう。Bクラスから3連覇を達成したオリックス、最下位から今季2位に躍進した日本ハムを見ると、ドラフトで指名した選手が高確率でブレイクしていることがわかる。

 中日の選手育成力が試されている。

【中日の今季成績】
143試合 60勝75敗8分 6位
支配下人数 64人