<秋季東京都高校野球大会:共栄学園6-3早大学院>20日◇3回戦◇都営駒沢球場
近年高校野球でも複数投手制が定着しているが、共栄学園は一貫してエースの首藤 健介(2年)が投げ続ける。12日に行われた1回戦の岩倉戦で148球を投げた首藤は、14日に行われ、延長10回タイブレークになった2回戦の安田学園でも150球を投げ、完投した。そして3回戦もまた、首藤は苦しみながら133球を投げ切り、完投勝利を挙げた。
試合は1回表共栄学園が、二死一、三塁から一塁走者が挟まれ、挟殺プレーをしている間に三塁走者の川原 雅也外野手(2年)が生還し、共栄学園が1点を先制する。その裏早大学院は二死二塁から4番の古田 祐太内野手(2年)の二塁打ですぐに同点に追いつく。
しかし共栄学園は2回表、川原の二塁打など安打3本に敵失が絡み3点を入れて突き放す。しかし「1回戦、2回戦と苦しい戦いが続いたので、この試合は序盤に簡単に点が入って、緩みみたいなものが出てしまいました」と共栄学園の原田健輔監督は言う。
その後は、走者は出すものの、6回表にスクイズで1点を入れただけで、なかなかリードが広がらない。
7回裏早大学院は安打2本と四球で無死満塁とし、8番・續 奏侑外野手(2年)の遊ゴロで1人が生還する。さらに失策もあって、早大学院は1点を加える。
共栄学園の首藤は、「気持ちの面で疲れていました。でも自分1人で投げるということは、練習試合でも経験してきました。調子が悪い時でも、試合を作ることを意識しています」と言う。困難に直面したら、自分で答えを導き出す。それは原田監督が首藤を信頼しているからこそ与えている試練である。
8回裏の早大学院の攻撃では、マウンド付近に上がった凡フライを捕球できず安打になるなど、ピンチを迎えたが、首藤は無失点で切り抜けた。9回裏はギアを上げたように、球威を増して早大学院を三者凡退に抑え、共栄学園が勝ち、準々決勝進出を決めた。
共栄学園の首藤は、調子が悪い時は悪いなりに傷口を広げない投球をし、共栄学園は、秋は5年ぶりの準々決勝進出を決めた。準々決勝の相手は帝京だ。首藤は、「超強豪。自分の持っているボールを最大限に生かすピッチングをしたいです」と語った。