2024年のドラフトが明日に迫った。ドラフト1位として名前が挙がっている大学生5人がいる。

 関西大・金丸 夢斗投手(神港橘
 愛知工業大・中村 優斗投手(諫早農
 明治大・宗山 塁内野手(広陵
 青山学院大・西川 史礁外野手(龍谷大平安
 大阪商業大・渡部 聖弥外野手(広陵

 この5人は今の技術を崩すことがなければプロでも活躍する選手だろう。5人の1年目の活躍、将来の活躍を検証していきたい。

競合必至の金丸の懸念される1年目

 金丸については投手としての理想をすべて備えた投手だ。常時140キロ台後半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップをコントロールよく投げ分けて、三振を奪う。プロの投手は縦、横、緩急の3球種をしっかりと使い分ける投手が活躍するが、金丸はそれができる。牽制、クイックなどの技術も高い。昨年、ドラフト1位指名された大学生投手8人の中には、東洋大・細野 晴希投手(日本ハム1位)、国学院大・武内 夏暉投手(西武1位)、桐蔭横浜大・古謝 樹投手(楽天1位)の3人の左腕がいたが、金丸はどちらかというと武内に近い投手。武内はコントロールに優れ、打者が打ちにくいコースに強いストレートを投げられるという武器があった。金丸もそのタイプだが、武内よりも引き出しは広い。コントロールに苦しむ姿は見たことがない。今年は春秋リーグ戦通算で53回を投げて、与四球はわずか4。奪三振は70奪三振で、K/BBは17.5と優秀な数字を残しており、防御率は驚異の0.00だ。

 実績、能力を考えれば、競合が確実だが、1年目から大車輪の活躍を見せられるかといえば、否である。

 まずは腰のケガを抱えていること。次に、投球術は完成されているが、ストレートの強さがNPBのローテーションに入る左腕投手と比較すると弱いことが挙げられる。ストレートは今年新人王最右翼の武内の大学時代と比較しても弱い。現状だと、三振を思うようにとれず粘られて、甘く入ったら長打にされてしまうだろう。また球数も増えやすくなる。

 もうひとつの懸念点は、所属する関西学生リーグの打者のレベルがそれほど高くないことだ。金丸の1年目はドラフト前の評判とギャップ出てしまうかもしれない。

 プロ入り後の活躍が「そこそこ」になるか、「沢村賞を毎年狙える投手」になるかは球団の育成次第といえよう。

中村の即戦力度は金丸よりも上!

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