近年のオリックスは、ドラフト下位指名した社会人投手が活躍している。直近5年を見ると、20年の阿部 翔太投手(酒田南―成美大―日本生命)、21年の小木田 敦也投手(角館―TDK)が中継ぎとして躍動すると、昨年6位で入団した古田島 成龍投手(取手松陽―中央学院大―日本通運)も50登板で防護率0.79の好成績を残した。はたして今年も社会人投手の指名はあるのだろうか。
江原 雅裕投手(天理―国学院大―日鉄ステンレス)は、最速157キロの直球を誇る速球派。今年の都市対抗大会ではJR西日本の補強選手として出場し、最速153キロを計測。150キロを連発して大舞台で躍動した。社会人日本代表候補にも選出されるまで飛躍を遂げたが、登板経験は浅く、1年目から即戦力としての計算は考えにくい。それでも、速球派投手の育成にも定評のあるオリックスであれば、阿部や小木田のように2年目以降から活躍する可能性を秘めている。
木下 里都投手(福岡舞鶴―福岡大―KMGホールディングス)も、今年の都市対抗で最速156キロを計測した本格派右腕だ。福岡大1年時に遊撃手から投手に転向すると、4年時には最速149キロを投げ込むまでに成長。投手としての才能を開花させると、社会人でも先発として登板機会を増やしてアピールを続けている。制球力の高さも売りで、今年5月に行われた都市対抗九州二次予選では3試合に先発登板し、23回を投げて四球は初戦の2個のみと安定した投球で勝利に貢献している。即戦力として期待できるだろ。
左腕では荘司 宏太投手(駿台甲府―国士舘大―セガサミー)が面白い。投げっぷりのいい投球フォームから、最速150キロの直球と緩いチェンジアップを武器に三振を奪う。社会人では1年目から都市対抗を経験し、2年目には東京ガスの補強選手としてベスト4進出に貢献。制球力は課題の余地があるが、チームは先発含め支配下に左腕は7人しかおらず、貴重な中継ぎ左腕として評価すれば指名に動くこともあるのではないだろうか。
他にも最速155キロ右腕の林田 夢大投手(津久見―西部ガス)や伸びのある直球が売りの東山 玲士投手(丸亀―同志社大―ENEOS)ら、中継ぎの本格派も狙い目だろう。岸田 護新監督を支える社会人投手の指名はあるのか。今年もオリックスのドラフトに注目したい。